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 オーストリアamsは、フォトダイオードとA-D変換器を集積した16スライス対応のCT(Computed Tomography)スキャナー用センサーIC「AS5950」を発売した(ニュースリリース)。X線を検出するフォトダイオードと、その検出結果をデジタル化するA-D変換器をいずれも64チャネル分集積した。16スライス対応のほか、8スライス対応のCTスキャナーに使える。同社によると、「従来は、複数のフォトダイオードアレー素子とA-D変換器IC(読み出しチップ)をプリント基板に実装する必要があり、それぞれを長い配線で接続する必要があった。今回の新製品を使えば、こうした複雑な構成を1チップに置き換えられるため、SN比の向上に加えて、部品コストと製造コストの大幅な削減が可能になる」という。

フォトダイオードとA-D変換器を集積した16スライス対応のCTスキャナー用センサーICの内部構成。amsの資料
フォトダイオードとA-D変換器を集積した16スライス対応のCTスキャナー用センサーICの内部構成。amsの資料
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 CMOSプロセスで製造した。フォトダイオードとA-D変換器のほか、デジタルフィルター回路や制御回路、温度センサー、バイアス電圧発生器、外部インターフェース回路などを1チップに集積した。A-D変換器の分解能は最大25ビット。非直線性誤差は±300ppm。フォトダイオードを含んだ非直線性誤差は±600ppmである。積分時間の最小値は200μs。このためCTスキャナーの高速動作が可能という。入力換算の雑音電荷量は0.20fC(標準値)に抑えた。フォトダイオードの最大駆動電流(フルスケール範囲)は、X線の放射量に応じて、200n〜600nAの範囲で設定できる。フルスケール範囲のほか、分解能や積分時間、フォトダイオードのアクティブ領域はユーザーが設定できる。

 電源電圧は、アナログ回路部が+2.7V、デジタル回路部と補助回路部が+1.8V、基準電圧が+1.25Vである。消費電力はチャネル当たり0.65mWと少ない。このため放熱対策が容易という。ダイの状態で出荷する。価格は明らかにしていない。このほか16スライスのCT検出器を構成したリファレンス設計や評価キットも用意している。