独Infineon Technologies(インフィニオン)は、SOI(Silicon On Insulator)技術で製造した+650V(最大フローティング電圧)対応のゲートドライバーIC「2ED218x」を発売した(ニュースリリース)。ゲートドライバー回路を2つ内蔵した。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチから構成されたハーフブリッジ回路を駆動できる。駆動可能なスイッチング素子は、nチャネル型MOSFETとIGBTである。
最大の特徴は、ブートストラップダイオードを集積した点にある。このため負の過渡電圧に対する耐性が100Vと高く、インバーター回路を構成するMOSFETやIGBTのラッチアップ耐性を引き上げることができる。この結果、「今回の新製品を搭載した機器の信頼性を高められると同時に、部品(BOM)コストを削減できる」という。駆動能力は、ソース(吐き出し)時とシンク(吸い込み)時どちらも2.5Aと大きい。伝搬遅延時間は、ターンオン時とターンオフ時どちらも標準値が200ns、最大値が300ns。ターンオン時とターンオフ時の伝搬遅延時間の整合特性は35ns(最大値)である。誘導加熱器やエアコン用コンプレッサー、スイッチング電源モジュール、無停電電源装置(UPS)などに向ける。静電気放電(ESD)耐圧は、人体帯電モデル(HBM)で±2kVを確保した。パッケージは8端子SOPと14端子SOPを用意した。動作温度範囲は−40〜+125℃である。
このほか、ソース(吐き出し)時とシンク(吸い込み)時の駆動能力がどちらも0.7Aの+650V対応ゲートドライバーIC「2ED210x」も併せて発売した。パッケージは8端子SOPと14端子SOPを用意した。動作温度範囲は−40〜+125℃である。
2製品どちらもすでにサンプル出荷と量産出荷を始めている。価格は明らかにしていない。