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 スギノマシン(本社富山県魚津市)と富山県立大学は、両者とタカギセイコー(本社富山県高岡市)が共同で進めている研究の成果として、新規の「セルロースマイクロファイバー」(CMF)を開発。タカギセイコーは、このCMFを使ったサンプルを製作した(図1・2、ニュースリリース)。CMFは平均直径が数μmのセルロース繊維で、セルロースナノファイバー(CNF)と比べると、樹脂へ添加した際の補強効果に優れるのが利点という。スギノマシンなどは「植物由来の次世代フィラー」として開発に取り組んでいる。

図1:セルロースマイクロファイバー(CMF)の外観
図1:セルロースマイクロファイバー(CMF)の外観
植物由来の繊維で、平均の直径は数μm。(出所:スギノマシン)
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図2:CMFを使ったサンプル
図2:CMFを使ったサンプル
ポリプロピレンとCMFの10wt%複合体。上が未塗装の状態で、下が塗装したもの。(出所:スギノマシン)
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 CMFは、繊維自体の直径を数μmとしながら、表面にナノ化した繊維構造を持たせているのが特徴だ(図3)。幅3n〜4nmの微小繊維(セルロースミクロフィブリル)の集合体であるCNFと異なり、表面のみをナノ化している。

図3:CMFの電子顕微鏡写真
図3:CMFの電子顕微鏡写真
繊維表面に、枝分かれしたナノ繊維を観察できる。左は1000倍、右は1万倍で撮影。(出所:スギノマシン)
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 表面のみをナノ化することで、樹脂へ添加したときに引っ張り強さや弾性率が高まる上、線熱膨張率を抑えられる(図4、表)。さらにアンカー効果も得られるため、マトリックス樹脂との接着性が高く、補強性が向上するとしている。

図4:応力-ひずみ線図
図4:応力-ひずみ線図
CMFの添加濃度を高めることで、最大応力と弾性率が向上する。(出所:スギノマシン)
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表:線熱膨張率の測定結果(出所:スギノマシン)
表:線熱膨張率の測定結果(出所:スギノマシン)
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 スギノマシンによると、現在主流となっている乾燥状態のセルロース繊維は直径が20μ〜30μmであり、それらに対してもCMFは「新規性が高い」(同社)。同社などは、自動車部材などでの利用が可能とみて今回のサンプルを製作した。販売時期や価格などは未定とする。

 タカギセイコーは「第10回 クルマの軽量化 技術展」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)に出展。新開発のCMFを用いた樹脂複合材料や自動車部材向けに成形したサンプルを展示した。