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 移動通信関連の業界団体であるGSMA(GSM Association)は2020年1月7日、5Gサービスの提供が始まったものの、スマートフォンなど各種端末の5G移行が必ずしも急激に進まないとする調査結果を発表した(GSMAのニュースリリース)。同団体の調査・コンサルタント部門であるGSMA Intelligenceが「CES 2020」(2020年1月7~10日、米ラスベガス)に向けて公開した調査レポート「The Future of Devices」にて報告されている。

出所:GSMA Intelligence
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 同レポートは2019年、スマホやスマートスピーカー、ウエアラブル端末といった主要なマーケット36地域の消費者38000人を対象としたオンライン調査と対面調査の結果を基にまとめられたもの。

 これによると、中~高所得国の成人人口の85~95%がスマホを所有している。しかしそのうち、5Gサービス開始後すぐにスマホをアップグレードすると回答したのは、米国、欧州、オーストラリアでは30~40%となっている。一方で中国や韓国では早期導入希望者が多く、特に中国では半数近くのスマホユーザーが、5G対応版が発売されたら直ちに購入したいとしている。

「あなたはいつ5Gにアップグレードしますか?」という質問への各国消費者の回答
「あなたはいつ5Gにアップグレードしますか?」という質問への各国消費者の回答
出所:GSMA Intelligence
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 スマートホーム向け端末については、各メーカー製品間の互換性がないことが普及の妨げになっているが、米Amazon.com(アマゾン)のAmazon Echoに代表されるスマートスピーカーの需要は高まっている。スマートスピーカーは、2019年最も急速に伸びた分野で、現在、21%の家庭が所有しており、対前年比10%の伸びとなっている。スマートスピーカーは、AI搭載製品の中で主要な位置を占めており、その開発ではAmazonや米Google(グーグル)が先駆者となっているが、現在の基本機能を超えた、より価値の高い機能を提供するという課題に直面している。

 2019年はフィットネストラッカーやスマートウォッチなどの売れ行きも好調で、その普及率は、フィットネストラッカーが成人の21%、スマートウォッチが成人の10%、そのうち最も保有率が高いのがデジタル技術に精通したミレニアル世代となっている。一方で、高齢者のコネクテッドヘルスデバイス利用は依然として少ない。高齢者の遠隔からの見守りを実現し、対面診療の手間を減らし、国家の医療システムへの費用負担を減らすことができるこうしたデバイスが活用されないことは、ハイテク産業にとってはビジネスチャンスを減らすこととなり、国家にとっても大きな課題であるとレポートは指摘している。