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 栗田工業が展開する「ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上」が、「2019年度 省エネ大賞」(主催:省エネルギーセンター、後援:経済産業省)の製品・ビジネスモデル部門において「資源エネルギー長官賞」を受賞した(ニュースリリース)。熱交換器の金属表面に撥水性を与えて水膜を除去し、熱伝導率を高める滴状凝縮技術「ドロップワイズテクノロジー」が評価された。

図1:「ドロップワイズテクノロジー」のメカニズム
図1:「ドロップワイズテクノロジー」のメカニズム
薬品の成分が金属表面に吸着され、撥水性が向上する。これによって、凝縮形態が膜状から滴状に変わる。(出所:栗田工業)
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 ドロップワイズテクノロジーでは、熱交換器の蒸気側表面に有効成分(撥水機能のある水処理薬品)を吸着させることで撥水性を高める(図1)。これによって、金属表面では、凝縮形態が膜状から滴状に変化し、速やかに除去されるので、熱伝導率が向上する(図2)。

図2:撥水性の有無による凝縮形態の違い
図2:撥水性の有無による凝縮形態の違い
従来は、熱交換器の金属表面に形成された水膜が熱抵抗となっていた(左)。ドロップワイズテクノロジーによって撥水性が与えられることで、蒸気の凝縮形態が滴状に変化し、熱伝導率が高まる。(出所:栗田工業)
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 一般にボイラーで発生した蒸気を用いる熱交換器では、蒸気側の金属表面で蒸気が凝縮され、水膜が形成される。この水膜は、わずかな厚さでも熱伝導率を大幅に低下させ、蒸気使用量の増加につながっていた。ドロップワイズテクノロジーによって熱伝導率を改善でき、蒸気使用料の削減による省エネや生産性向上を図れる。同社による検証では、総括伝熱係数は最大30%改善したという(図3)。

図3:総括伝熱係数の検証結果
図3:総括伝熱係数の検証結果
シェルアンドチューブ(多管)式熱交換器で検証し、総括伝熱係数が30%向上したことを確認した。(出所:栗田工業)
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 薬品は熱交換器の直前の蒸気ラインで添加すれば済むため、生産設備を稼働させたまま適用できるのも同技術の利点。既存の水処理と相互に干渉しないためさまざまな業種への適用が可能で、国内外で既に70ユニット以上の導入実績がある。例えば製紙工場のドライヤー工程では、蒸気原単位と二酸化炭素排出量を年平均で5〜10%低減できることを確認しているという(図4)。

図4:適用事例
図4:適用事例
製紙工場のドライヤー工程に適用し、蒸気原単位の改善を確認した。(出所:栗田工業)
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 ITやセンシング技術と組み合わせれば、省エネ効果をさらに高められる見込み。今後は、薬品や装置、分析・解析技術をパッケージ化し、成果報酬を基本とする契約型のビジネスとして同技術を展開する計画だ。

 省エネルギー大賞の製品・ビジネスモデル部門は、省エネ性を持つ製品または省エネ波及効果の高いビジネスモデルを対象とする(省エネルギーセンター「2019年度省エネ大賞 受賞者の決定について」)。2019年度は、経済産業大臣賞を4件(輸送/建築/ビジネスモデル/節電分野)、資源エネルギー庁長官賞を5件(業務/家庭/輸送/ビジネルモデル/節電分野)、中小企業長長官賞を1件、省エネルギーセンター会長賞を15件、審査委員会特別賞を2件が受賞。栗田工業は、ビジネスモデル分野で選出された。

 なお、「ENEX2020 第44回地球環境とエネルギーの調和展」(2020年1月29〜31日、東京ビッグサイト)では表彰式と受賞者による発表会を開催する予定で、同社もドロップワイズテクノロジーの説明とパネル展示を行う。