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 楽天の「楽天市場」に出店する店舗事業者で組織する任意団体「楽天ユニオン」は2020年1月22日、公正取引委員会を訪れて楽天に対して独占禁止法の排除措置命令を求める書面と出店者の署名を提出した。顧客が3980円以上の商品を購入した場合に「送料無料」とサイトに表示して店舗に送料を負担させる行為が「優越的地位の乱用」に当たるとしている。

「楽天ユニオン」会見の模様
「楽天ユニオン」会見の模様
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 楽天は2020年3月18日に送料無料の仕組みを開始する予定だ。楽天ユニオンは公正取引委員会に対して、楽天が店舗に求めている送料無料のほか、アフィリエイトサービス手数料の引き上げや決済サービス「楽天ペイ」への切り替え、店舗への違約金制度のそれぞれについて取りやめを求める出店者ら計3958人分の署名を提出した。

 同ユニオンによると、楽天は送料無料によって店舗の売上高が15%増加すると説明したものの、実際には利益が減少したり赤字に陥ったりする恐れがあるという。楽天市場での売り上げが大半を占めたり顧客情報などが利用できなくなったりする出店者は退店が難しく、独禁法上の「あらかじめ計算できない不利益を与える行為」などに当たると主張した。

 同ユニオンは「楽天とともに成長したいが、店舗の声が届かない」と語った。また同ユニオンの請求代理人である川上資人弁護士は裁判所への差し止め請求ではなく排除措置を求めた理由について「楽天に出店者名が伝わって契約を一方的に破棄されるといった報復を恐れている事情がある」と説明した。

 一方、楽天は送料無料の導入は「送料の分かりやすさを向上させるため」と説明。公正取引委員会への請求については「多様な店舗の意見に真摯に耳を傾け、いただいた声を消費者、店舗の双方にとってより良い施策となるよう生かす」などとするコメントを公表した。楽天によると楽天市場の店舗数は2020年1月現在で4万9533店という。