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 NTT東日本は2020年1月22日、山梨県小菅村、北都留森林組合、boonboon、さとゆめと共同で、豊かな森林資源を有する小菅村山間部をネットワーク化し、林業に関する課題解決およびスマートビレッジの実現に向けた実証実験を2月に開始すると発表した。

 この実証実験では、山間部を効率的にカバレッジできる高出力(920MHz帯、最大送信出力は250mW)の独自LPWA(Low Power Wide Area)を用いて広域をカバーするネットワークを整備する。通常、免許不要で利用する20mW(特定小電力無線)の場合だと、見通し1km~2km程度をカバーするのに対し、今回は数kmをカバーできるという。さらに、最大3ホップまで、中継器を複数利用できて、メッシュ上にエリアを拡張できる。今回は、親機1台と中継機4台で、約52km2ある小菅村のほぼ全域をカバーした。

山間部に自営ネットワークを効率的に整備
山間部に自営ネットワークを効率的に整備
(発表会から)
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 整備したネットワーク上で、林業の共通課題である「林業従事者の労働災害抑止」「シカなどの獣害対策」に取り込む。具体的には、前者の関連では、従事者による緊急時の救助要請を可能にする仕組みを提供する。もし伐木作業中の倒木事故などで負傷した場合は、子機本体のボタンを押下することで、SOS信号を発信する。子機に内蔵された加速度センサーにより転落など急な衝撃があるとトラブルを検知し、SOS信号の自動発信もできる。これにより、緊急事態の早期発見・早期対応を可能とする。子機に内蔵したGPSで、作業者の位置を地図上に表示することで、救助要請者の居場所の把握を可能とする。加えて、携帯電話の電波の届かない場所でも、専用アプリを介して、テキストや位置情報をチャットで送受信することで業務連絡などの作業効率化を図れるようにした。

林業事業者の労働災害を抑止
林業事業者の労働災害を抑止
(発表会から)
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 シカなどの獣害対策としては、子機に内蔵されたセンサーがわなの作動を検知した際にあらかじめ指定した宛先に捕獲情報を通知することで、捕獲の早期発見・駆け付けや巡回ルートの最適化を可能にする。加えて、巡回が困難な場所には、カメラを設置し、捕獲有無や害獣種別・大きさなどを画像で確認することで、巡回稼働の効率化を図る。LPWAの通信速度は300bpsと低速だが、画像の確認を必ずしもリアルタイムで行う必要もないため、時間をかけて送信する形で実現した。

実証で使う高出力LPWAの親機/中継機(左)と捕獲監視カメラ
実証で使う高出力LPWAの親機/中継機(左)と捕獲監視カメラ
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 実証実験は、2020年2月中旬~2020年9月の予定で実施する。NTT東日本は、林業全体のDX(デジタルトランスフォーメンション)化を進めることで林業の成長産業化に貢献したいと意気込む。