中国ZTEは2020年1月21日、アフリカと中東21カ国で事業を展開するMTNグループのMTNウガンダと協力して、東アフリカ初とする5G SA(Standalone)ネットワークを立ち上げたと発表した(ZTEのニュースリリース)。ウガンダ・カンパラのNyonyi Gardenで開催されたイベント「Experience the Future Together」において、この5G SAネットワークを使用した様々なデモを披露している。
今回の5G SAネットワーク実現に当たっては、既存のLTEコアネットワークを使用せず、制御信号とデータ信号の完全分離(C/U分離)を実現したZTEの基幹ネットワークシステム5G Common Coreを使用。今後のアップグレードにより、uRLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications、高信頼低遅延通信) やmMTC(massive Machine Type Communications、大量機器接続)にも容易に対応可能としている。
今回のデモでは帯域幅60MHzを使用し、1.494Gビット/秒を超える高速通信を実現した。クラウド環境を使ったXR(eXtended Reality)、超高解像度生放送から自動運転、遠隔手術に至るまで、様々なアプリケーションを実現するネットワークになるとしている。今回のイベントでは、そのほか、固定無線アクセスネットワークによるリアルタイム通信や、ロボット、クラウド利用のVRなど多岐にわたるデモも実施された。
ZTEは上述の5G対応Common Coreのほか、100Gビット/秒超の光伝送システムやフロントホール(ベースバンドユニットのBBUと基地局間伝送)とバックホール(基地局間伝送)を統合するソリューションとなる5G Flexhaul、5G対応スマートフォン「Axon 10 Pro 5G」、5G対応の屋内用、屋外用のルータ類などの端末の紹介もあった。
MTNは、アフリカと中東に2億3000万人のユーザーを抱える。ZTEとは2009年から通信端末から無線通信、基幹ネットワーク、エネルギーインフラなどを含む運用、維持管理で連携しており、MTNウガンダのほかにも11の支社と連携して様々なプロジェクトを進めている。