NTTドコモはソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズと実証実験中の「おサイフケータイのタッチレス対応」のデモを、NTTドコモのプライベート展示会「DOCOMO Open House 2020」で公開した(図1)。測距や位置推定が可能な無線通信「UWB(Ultra Wide Band)」とソニーの非接触型ICカードの技術方式である「Felica」を組み合わせることで、スマートフォン(スマホ)を受信機にかざさずに決済や解錠を可能にする。「将来は、ポケットやかばんにスマホを入れたままで決済や解錠を可能にしたい」(展示ブースの説明員)とする。

図1 UWBを利用した決済のデモの様子
図1 UWBを利用した決済のデモの様子
UWBを使って決済者の位置を特定して決済する。将来は決済端末をポケットやかばんの中から取り出さずに決済できる機能の提供を目指す。(撮影:日経クロステック)
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 デモでは「店舗」と「車」の2つの利用シナリオを見せた。店舗のデモでは、UWBのアンテナモジュールを取り付けたスマホを手に持って指定された場所に立つと、スマホの画面を操作すること無しに決済が完了する。

 車のデモは大きく2つあった。1つは解錠である。UWBモジュールを接続したスマホをもって車に近づくだけで鍵が解錠される。もう1つは、車の運転席に座ったままドライブスルーなどで商品を決済するデモだ。

図2 車での活用シナリオ
図2 車での活用シナリオ
UWBを使った車での活用シナリオ。車に近づくと鍵が解錠したり(左)、車内にいながら支払い(右)を実行するなどの活用法を見せた。(撮影:日経クロステック)
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 システム構成は共通だ。UWBでスマホを持つ利用者の位置を計測、ある一定のエリアにスマホを所持した人が立つと決済や解錠の処理を行うようになっている(図3)。決済などに必要な情報のやり取りにはBluetoothを利用し、認証などはFeliCaの技術方式で処理しているという。「今回は通信にはBluetoothを利用したが、将来は決済情報などもUWBでやり取りしたい」(ブースの説明員)と言う。

図3 デモのシステムの構成図
図3 デモのシステムの構成図
(展示パネルを日経クロステックが撮影)
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 デモで使用したスマホとUWBモジュールはNTTドコモ、受信機はソニーが用意した(図4)。モジュールと受信機はオランダNXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)のUWB用のICを搭載している。測距の精度は2~3m離れた状態で約10cm、角度の誤差はNXPによると「約3度」(同社)という。

 UWBは2019年に発売された米アップル(Apple)のスマホ「iPhone11」シリーズに搭載されて再び注目が集まっているが、自動車業界などではもう少し前からスマートキー用途で注目されていたようだ。

図4 展示したデモで使ったハードウエア
図4 展示したデモで使ったハードウエア
UWBモジュールを外付けしたスマホ(左)と、UWBの受信機(右)。(撮影:日経クロステック)
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