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 ルネサス エレクトロニクスは、放射線耐性を備えた電源IC「ISL70005SEH」を発売した(ニュースリリース)。同期整流方式を採用した降圧型DC-DCコンバーターとLDOレギュレーターを1チップに集積した。同社によると、「同様の電源ICの製品化は業界初」という。人工衛星のペイロードを構成するFPGAやDDRメモリーに電力を供給するPOL(Point Of Load)コンバーターとして使える。2つの電源回路を1チップに集積したため、「中軌道(MEO:Medium Earth Orbit)や静止軌道(GEO:Geostationary Orbit)で運用される人工衛星に搭載するペイロードの部品点数と実装面積を削減できる」(同社)という。

放射線耐性を備えた電源IC。降圧型DC-DCコンバーターとLDOレギュレーターを集積した。ルネサス エレクトロニクスのイメージ
放射線耐性を備えた電源IC。降圧型DC-DCコンバーターとLDOレギュレーターを集積した。ルネサス エレクトロニクスのイメージ
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 降圧型DC-DCコンバーターは、フィードバックループの制御方式に電圧モードを採用した。最大出力電流は3A。スイッチング周波数は100k〜1MHzの範囲で、外付け抵抗を使ってユーザーが設定できる。LDOレギュレーターには、nチャネル型MOSトランジスタをパストランジスタとして搭載した。最大出力電流は±1A。すなわち、シンク(吸い込み)とソース(吐き出し)の両方に対応する。降圧型DC-DCコンバーターの入力電圧(VIN)範囲は+3〜5.5V。+3.3Vや+5Vの電源バスに対応する。誤差が±1%と小さい基準電圧源を搭載した。降圧型DC-DCコンバーターとLDOレギュレーターそれぞれに独立したイネーブル(EN)端子や、ソフトスタート(SS)端子、パワーグッド信号インジケーター端子を搭載した。

 放射線耐性については、0.01rad(Si)/sの低線量率(LDR)のときに75krad(Si)を、50〜300rad(Si)/sの高線量率(HDR)のときに100krad(Si)を確保した。シングルイベント効果(SEE:Single Event Effect)については、線エネルギー付与(LET:Linear Energy Transfer)が86.4MeVcm2/mgのときにSEB(Single Event Burnout)もしくはSEL(Single Event Latchup)の発生なしを、43MeVcm2/mgのときに出力電圧の±3%未満のSET(Single Event Transient)とSEFI(Single Event Functional Interrupt)の発生なしを保証する。

 28端子のセラミック・デュアル・フラットパック・パッケージに封止した。このほかダイの状態でも供給戒能だ。動作温度範囲は−55〜+125℃。価格は明らかにしていない。