ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)は、仮想現実(VR)を利用した同社の訓練システム「mcframe MOTION VR-learning(以下、VR-learning)」を、台湾HTC社のVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「VIVE Pro Eye」に対応させた(ニュースリリース)。VIVE Pro Eyeは視線追跡(アイトラッキング)機能付きHMD。ユーザーの視線の動きを記録し、VR-learning利用時の訓練の到達度合いなどを評価できる。

図1 VR-learning
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図1 VR-learning
360°カメラで撮影した全天周画像を元にコンテンツを作る。設備点検などにおいて確認箇所や順番を学ぶのに使える。トレーニング時の視線の滞留時間なども評価できる。(出所:B-EN-G)

 VR-learningは、設備の稼働状況や計器のチェック・検査といった確認作業や、安全教育などにおいて手順やノウハウを学ぶためのシステム。360度カメラで撮影した画像を基に、ベテラン作業者が設備のどこをどの順番で確認しているかなどをVR空間上に表示する。訓練受講者は確認する箇所や順番を予習した上で、HMDを装着してVR空間に表示された確認箇所を順を追って見ていく。アイトラッキング機能を利用し、ユーザーがVR空間で何をどれくらいの時間見ていたかをヒートマップと視線トラッキングで評価できる。

図2 「VIVE Pro Eye」
図2 「VIVE Pro Eye」
(写真:日経クロステック)
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図3 vr-learningの利用イメージ
図3 vr-learningの利用イメージ
後ろのスクリーンに映っているのがユーザーが見ている画像(写真:日経クロステック)
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 VR-learningは、アイトラッキング機能付きHMDとしてこれまで「FOVE」に対応していたが、新たにVIVE Pro Eyeにも対応した。これを機にB-EN-Gは、HTCの日本法人であるHTC NIPPON(本社東京)と協力し、アジアパシフィック地域におけるVR-learningの販売拡大で協業を進める。

 2017年にVR-learningを発売した当初、B-EN-Gは製造業での作業訓練を主な用途と想定していた。しかし、現在のユーザーは物流倉庫や建設業界などでの安全衛生教育といった用途が多い。現在20社ほどが試験的に利用しているという。

 「販路を広げるには自社だけの展開では難しい。いかに認知度を高めるかが課題。ハードウエアとソフトウエアを組み合わせたソリューションなので、ハードウエアメーカーとの連携が重要になる」(同社ソリューション事業部デジタルサービス本部長の志村健二氏)。B-EN-Gとしては、HTCとの連携によってハードウエアのサポート力を高めるとともに、HTCが持つアジアパシフィック地域に持つ広い販路を活用して販売を強化する狙いがある。

 一方、HTCはVR-learningを足掛かりに、企業へのVIVEの導入を拡大させたい考えだ。「企業向けソリューションは一般にコンテンツ作成に時間がかかるのが課題。VR-learningは360度カメラで撮影して簡単にコンテンツを作れる。法人などで業務の効率化や教育、コストダウンのツールとして使える代表的例となる」(HTC NIPPON代表取締役社長の児島全克氏)と期待を寄せる。