ネットワンシステムズは2020年2月13日、循環取引に関する調査の中間報告書を公表した。特別調査委員会は一連の循環取引について「組織的に実行されたものではなく、全容を把握して架空の商流取引であることを認識していたのはA氏のみであり、A氏が単独で行っていた」と指摘した。
ネットワンは当初、2019年4~12月期の連結決算を2020年1月30日に発表する予定だったが、2月13日に延期。2月13日時点でも連結決算を開示できておらず、発表時期はさらにずれ込む見通しだ。
中間報告書によると、循環取引による売上高への影響額は、2016年3月期以降の累計で276億1500万円に上った。同社で循環取引を主導したのは、東日本第1事業本部第1営業部営業第1チームのシニアマネージャー(当時)だったA氏。A氏が所属していた営業第1チームは中央省庁を担当していた。
A氏は循環取引に関わった企業の担当者らと連絡を取り合いながら、不正行為を繰り返していた。A氏が循環取引にのめり込んだのは、ある中央省庁の大型案件を所属チームが失注し、これを挽回するためだったという。ただし、循環取引で支払われた金額の一部が流出しており、供述内容の信用性に疑問があるとした。
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