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 発端は東芝の2020年1月18日の発表だった。子会社の東芝ITサービスで「実在性に疑義のある取引」が複数年にわたって行われていた可能性が判明。複数の企業間で実態のない取引を繰り返し、売り上げや利益を不正に水増しする「循環取引」だったと明らかにした。その後、循環取引に関与したとみられる企業が徐々に明らかとなっていった。

 東芝の発表より前にネットワンシステムズと日鉄ソリューションズは国税当局の税務調査で一部取引について実在性に疑義があるとの指摘を受け、それぞれ2019年12月13日に特別調査委員会を設置すると発表していた。両社が東芝ITサービスの循環取引に関与していた可能性が高まった。

 2020年1月24日には富士電機子会社の富士電機ITソリューション、みずほリース子会社のみずほ東芝リースの2社でも実在性に疑義のある取引がそれぞれ判明した。

 循環取引を主導したとされるのがネットワンシステムズ。同社株価が急落するなど騒ぎが大きくなる中、他社からは「主体的に関与していない」「巻き込まれた」とする調査結果の公表が相次いだ。

 2020年2月13日にはネットワンシステムズが調査委員会による中間報告書を発表し、さらなる詳細がみえてきた。同社で循環取引を差配していたのは、東日本第1事業本部第1営業部営業第1チームのシニアマネージャー(当時)だったA氏。同氏は注文書を偽造するなどし、不正行為の発覚を逃れながら売り上げや利益を不正に水増ししていた。循環取引に手を染めたのは、ある中央省庁の大型案件を所属チームが失注し、これを挽回するためだったという。

 続いて2020年2月14日にはダイワボウ情報システムが循環取引に関わっていたことも判明した。さらに同日、調査結果を公表した東芝によると、循環取引には9社が関与していたという。

 IT業界ではこれまでもニイウスコーやアイ・エックス・アイ(IXI)、メディア・リンクスなどで循環取引が発覚し、度々問題となってきた。改めて業界の健全化が求められる。