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 米TI(Texas Instruments)は、車載プロセッサー・プラットフォームのアーキテクチャー「Jacinto 7」向けに、車載プロセッサーICを2製品発表した(ニュースリリース)。Jacinto 7は新開発のアーキテクチャー。この2製品は、同アーキテクチャーを採る車載プロセッサーの第1弾となる。

 発表されたのは、ADAS/自動運転向け「TDA4VM」と、車載ゲートウエー/車載コンピューター/ボディー・ドメイン・コントローラー向け「DRA829V」である。どちらもメインのCPUコアとして、Arm Cortex-A72を2つと、Arm Coretx-R5Fを4つ集積する。また、これとは別に、機能安全向けのMCUを内蔵している。このMCUは、ロックステップ動作が可能な2つのCortex-R5FがCPUで、専用のSRAMやナビゲーションシステムなどを備える。この機能安全向けMCUにより、ユーザーはISO26262 ASIL-D/Cを容易に取得できるという。

TDA4VMの機能ブロック図
TDA4VMの機能ブロック図
(出所:TI)
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DRA829Vの機能ブロック図
DRA829Vの機能ブロック図
(出所:TI)
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 TDA4VMは、さらに、ADAS/自動運転向けに、深層学習の推論処理に使う「MMA(Matrix Multiply Accelerator)」(1GHz動作で最大8TOPSの性能)や、浮動小数点・ベクトル処理DSPコア「C7x」(1GHz動作で、最大80GFLOPS/256GOPSの性能)、ISP(Image Signal Processor)とMVA(Multiple Vision Assist Accelerator)が付いたビジョン処理アクセラレーター(Vision Processing Accelerator:(VPAC) 、DMPAC(Depth and Motion Processing Accelerator)などのプロッセシングユニットを備える。これらにより、例えば、8M画素のフロントカメラや、最大6台の3M画素カメラを使ったサラウンド・ビュー・システムをサポートできるという。また、カメラに加えて、レーダーやLIDAR(レーザーレーダー)、超音波センサーなどの入力も扱えるという。

 DRA829Vは、TDA4VMが備えるビジョン処理系回路を内蔵していないが、応用先のゲートウエーを考慮してインターフェースはTDA4VMと同等である。例えば、最大4つのPCI Express Gen3コントローラーを備える。各コントローラーは2レーンまで対応が可能。また、USB 3.0のDRD(Dual Role Device)サブシステムを備える。このサブシステムは Type-Cスイッチングに対応する。また、1GHz Ethernetスイッチを備えており、TSN(Time-Sensitive Networking)にも対応できる。CAN-FDもサポートしている。

 TDA4VMとDRA829Vは、どちらも16nm FinFETプロセスで製造し、24 mm×24 mmの827ボールのFCBGAに封止する。現在、どちらも量産開始前の製品扱いで提供しており、1000個発注時のチップ単価は97米ドルから。量産製品は、2020年下半期に供給予定という。TIは開発向けに、評価モジュール(EVM)として「TDA4VMXEVM」と「DRA829VXEVM」を1900米ドルで供給中である。

新製品の評価モジュール
新製品の評価モジュール
ベースボード(左)に、TDA4VMあるいはDRA829Vが載ったモジュール(右)を組み合わせて使う。両方で1900米ドル。TIのビデオから静止画像をキャプチャーして日経クロステックが作成
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