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 ラティス・テクノロジー(本社東京)は、生産設備の制御ソフトを仮想3Dモデルで検証するツール「XVL Vmech Simulator」の新版として、三菱電機製PLC(Programmable Logic Controller)用のラダープログラムを自動生成する機能を備えた「同Ver.11.0」の提供を開始した(ニュースリリース)。ラダーをつくる前にシミュレーションができるため、設備開発のリードタイムをさらに縮められるという。

図:ラダープログラム自動生成機能の概要
図:ラダープログラム自動生成機能の概要
(出所:ラティス・テクノロジー)
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 同ツールは、実際の生産設備を制御するコントローラーを用いて3Dモデルの装置を制御し、制御ロジックを検証する(関連記事)。装置の組み上がりを待つ必要がなく、バグによる装置の破壊、立ち上げ時の装置の取り合いといったトラブルを防ぎ、制御設計のフロントローディングを図れる。軽量3Dデータ形式「XVL」を利用するため、大規模な設備の3Dモデルも扱いやすい。

 既存の設備・装置を3Dスキャナーで撮影して得た点群モデルも併せて検証できる。IoT(Internet of Things)コントローラーとの接続も可能で、IoTコントローラーで収集・分析した結果を3Dモデルに反映すれば、現状と問題箇所の見える化を実現できる。IoTによる分析結果とその対処作業をひもづけることで、XVLの製造指示書ソリューションとの連携も可能とする。

 さらに新版では、三菱電機のPLC「MELSEC-Q」シリーズ上で動くラダープログラムを自動で生成する機能を追加した。具体的には、生産の動きや信号の変化を記述したタイミングチャートから、信号やサーボモーターを制御するラダーのニーモック(MELSEC-Qシリーズのリスト形式)を出力。そのニーモックによる3Dモデルの制御・検証が可能で、煩雑なインターロックや状態監視など、ラダーの詳細なつくり込み作業を最初から実行せずに済むようにできる。

 従来、制御ソフトの検証を前倒しで実施するには、ラダープログラムそのものを設計した上で実装期間を短縮・前倒ししなければならないという課題があった。新機能により、MELSEC-Qシリーズで制御する生産設備において設備開発のリードタイム短縮と品質の向上を図れる。

 価格は400万円(税別)から。別途、初年度から年間保守料がかかる。