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 米Qualcomm(クアルコム)は2020年2月18日、第3世代の5Gモデムおよびアンテナソリューションとなる「Snapdragon X60 5Gモデム-RFシステム」を発表した(Qualcommのプレスノート)。世界初となる5nmプロセスの5Gベースバンドチップを搭載し、これも世界初とするミリ波とサブ6(6GHz未満の周波数帯)のキャリアアグリゲーション(CA)や、FDD(Frequency Division Duplex)方式とTDD(Time Division Duplex)方式のキャリアアグリゲーションを実現した。加えて4G、5G間で動的に周波数共有可能なDSS(Dynamic Spectrum Sharing)にも対応し、既存の様々な周波数帯や通信方式を利用した5G性能改善や容量拡大が可能になる。ネットワークのNSA(Non-Standalone)5G NRからSA(Standalone)5G NRへの移行、特に5G Voice-over-NR(VoNR)の導入も支援する。

出所:Qualcomm
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 ミリ波帯アンテナモジュールとしてはこれも第3世代となる「QTM535」を用意。スマートフォンのさらなる薄型化を支援する。

 通信性能は、下り時7.5Gビット/秒、上り時3Gビット/秒を実現。サブ6のCAにより、SA 5G NR時のピーク時データレートは従来の2倍とする。

 Snapdragon X60とQTM535は、2020年第1四半期中にサンプル出荷開始予定。搭載スマートフォンも2021年上半期の市場投入開始が見込まれている。

広帯域で高Q値の最新SAWフィルター

 Qualcommは同日、特定の周波数帯から無線信号を分離するSAW(弾性表面波)フィルターの最新技術「ultraSAW」も発表(Qualcommのプレスノート)。挿入損失を1dB改善し、2.7GHz以下の周波数帯にて、競合のBAW(バルク音響波)フィルターより高性能としている。

出所:Qualcomm
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 600MHzから2.7GHzまでと幅広い周波数帯に対応しており、高性能の送受信やクロスアイソレーション特性、共振周波数における信号の鋭さを表すQ値(Quality Factor)にて、BAWフィルターを大幅に超える5000を実現。挿入損失を低減し、線膨張率(ppm/k)1桁台の高い温度安定性も実現。5Gと4Gをサポートするマルチモード端末にて、電力効率の高い無線通信をより低価格で提供可能にするとしている。

 同社は、このultraSAWをPA(Power Amplifier)モジュール(PAMiD)やフロントエンドモジュール(FEMiD)、ダイバーシティモジュール(DRx)、Wi-Fi、GNSS、RFマルチプレクサー関連製品などに適用。今後の最先端RFFE(RFフロントエンド)製品やSnapdragon 5Gモデム-RFシステム製品のさらなる性能向上を支えていくとしている。

出所:Qualcomm
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 同技術を適用したディスクリートSAW製品やモジュールは、2020年第1四半期から製造開始予定。搭載OEM製品については、2020年後半からの商用出荷が見込まれている。