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 ビデオ会議サービスを手がける米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)の勢いが増している。現地時間2020年3月4日に発表した2020会計年度第4四半期(2019年11月~2020年1月期)の決算によれば、売上高が前年同期比約78%増の約1億8830万米ドル、GAAP(米国会計基準)ベースの営業利益は同92%増の約1060万米ドルとなり、増収増益だった(発表資料)。

四半期ごとの売上高の変遷
四半期ごとの売上高の変遷
(出典:Zoom)
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新型コロナ対策による需要増は今期業績に影響なし

 2020会計年度通期(2020年1月期:2019年2月~2020年1月)では、売上高は前年同期比約88%増の約6億2270万米ドル、GAAPベースの営業利益は同106%増の約1270万米ドルとなった。

 好調な決算だが、ズームによれば、今期の決算には新型コロナウイルス対策によるビデオ会議の需要増はほとんど影響していないという。その分、来期に大きな追い風になる。同社は、2021会計年度通期(2021年1月期:2020年2月~2021年2月)の売上高を、前期比45~47%増の9億500万~9億1500万米ドルになると見込んでいる。

 Zoomのシステムは、企業のビデオ会議以外にも、ウェビナー(オンラインセミナー)や教育などさまざまな用途に活用できる。米国では一般的で、例えば遠方の企業と電話・ビデオ会議する際には、Zoomの利用を指定してくる企業が多い。同社によれば、2019年11月~20年1月期終了時点で、従業員10人超の利用企業が8万1900社と、前年同期比約61%増だったという。

 Zoomは2011年設立の企業で、本社をカリフォルニア州サンノゼに構える。2019年4月に米NASDAQに上場した(関連記事)。IPO時の株価は36米ドルで、上場初日の終値は62米ドル。その後、上昇と下降を経て、2020年2月から株価は上昇傾向にある。3月4日の終値で116.8米ドルだった株価は、4日の決算発表を受けて5日に急上昇。同日の終値は125米ドルに達した。

Webキャストによる決算発表会
Webキャストによる決算発表会
中央の男性がCEOのエリック・ヤン(Eric Yuan)氏。公式動画をキャプチャーしたもの
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