トヨタ自動車は2020年3月16日、ブロックチェーン技術を使ったパートナー企業との連携を加速すると発表した。トヨタ自動車やトヨタファイナンシャルサービスなどのトヨタグループでは2019年4月にグループ横断のバーチャル組織として立ち上げた「トヨタ・ブロックチェーン・ラボ」を中心に、連携企業を増やしたり、実証実験による技術や事業に関する知見を蓄積したりしていく。
活動の一環としてトヨタファイナンシャルサービスはBUIDLと共同で2019年9月~11月に車両情報管理の実証実験を実施した。この実験では、車両の生産情報に加え、車両の所有権や所有する人の情報、走行データやタイヤ交換および車検といった整備情報をひも付けて管理できるようなシステム基盤を構築した。より正確な車両状態を把握できるようにすることで、例えば中古市場での優良車両の積極的な売買が可能になるといったメリットが考えられるという。
実験ではポイント支払い機能も実装した。トヨタグループは2019年11月からキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet」を提供しており、サブスクリプションモデルによるサービスやカーシェアリング、レンタカーなどの利用料支払いを視野に入れた実験とみられる。「ブロックチェーン技術を使えばリアルタイム連携できるサービスが爆発的に増える」(トヨタ・ブロックチェーン・ラボ担当者)として、今後は車両関連以外のサービスとも連携することを視野に入れているという。