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 スウェーデンEricsson(エリクソン)は2020年3月11日、データ通信量の急激な需要増加に対して、エネルギー消費を最小限に抑える自社の取り組みを紹介する最新リポート「Breaking the energy curve」を発表した(Ericssonのニュースリリース)。全世界の移動通信ネットワークの年間エネルギーコストを250億米ドルと算出。費用と二酸化炭素(CO2)排出量の双方の観点から、エネルギー消費量の削減が産業界最大の課題の1つだとしている。その上で、増加の一途をたどるデータ通信量需要に5Gが従来と同様の方法で対応すれば、そのエネルギー消費量は劇的に増加するとして、解決に向けた独自のアプローチを解説している。

全世界の移動通信ネットワークのエネルギー消費量
全世界の移動通信ネットワークのエネルギー消費量
出所:Ericsson
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 リポートでは、エネルギー消費曲線の上昇を抑えるために、実際に5G導入を進めている複数の事例を分析するとともに、顧客の協力を得て各種ソリューションを試行。その結果、大幅なエネルギー消費量とCO2排出量削減を実現したとして、その4つのアプローチについて、次のように紹介している。

(1)ネットワーク環境の近代化
 最新の技術とネットワーク機器を導入することで、新しいビジネスの実現が可能になると同時に、エネルギー消費量削減も可能となる。従来、ネットワークの世代交代時には、既存の資産を流用しながら、新しい機器を追加することで対応してきた。これでは、エネルギー消費量削減は望めない。今回は、ネットワーク環境全体を近代化することにより、通信量の比較的少ない地域で、エネルギー消費量節約分だけで3年未満での投資回収が可能となることを確認した。

(2)省エネルギー型ソフトウエアの導入
 Ericsson Radio Access Networkにも導入されている省エネルギー型のソフトウエアは、機械学習も取り入れることでエネルギー削減を実現する。通信量が少ない場合の電力消費を軽減するMicro Sleep Tx(MSTx)やLow Energy Scheduler Solution(LESS)などの機能を使って、性能に劣化させることなく無線装置のエネルギー消費を最大15%削減することが可能となる。

(3)高精度設計に基づく5G環境構築
 5Gで周波数帯の効率利用と高速通信を実現するためには、適切な機材を適切な場所に配置しての環境構築も重要な課題となる。Ericssonのデュアルモード5Gコアや無線システム、動的周波数共有ソリューション(関連記事)などを活用することで、設備投資や運用コストを一定の制限内に抑えながら、高性能高効率な5Gサービス提供が可能となる。

(4)洗練された基地局運用
 AIを使うことで、基地局インフラのより適切な運用が可能となる。Ericssonではパッシブ型装置管理用のツールを用意し、予測に基づくメンテナンスや非接触での問題解決を実現。遠隔からの基地局管理を実現し、運用コストやエネルギー消費削減を実現する。実際の事例でもこのソリューションを適用することで、エネルギー消費量を最大15%削減している。

エネルギー消費曲線の上昇を抑える4つのアプローチとその利点
エネルギー消費曲線の上昇を抑える4つのアプローチとその利点
出所:Ericsson
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 同社では、世界の主要顧客や国際業界団体と連携して、地球温暖化を1.5°C以下に抑えるための取り組みを進めている。この1.5°Cという数値は、WWF(世界自然保護基金)、CDP(気候変動などの環境分野に関する情報収集と開示を進める国際団体)、WRI(世界資源研究所)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)による共同イニシアチブであるScience-Based Targetsイニシアチブ(SBTi)の掲げる目標値でもある。

 同リポートの全文は、同社の「Breaking the energy curve」ダウンロードサイトからアクセス可能となっている。