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 キョーリン製薬ホールディングスは、子会社の杏林製薬が開発した遺伝子定量装置「GeneSoC」を用いて、新型コロナウイルス検査の実証実験を開始すると発表した。医療機関などで検査精度を実証したり、操作性を確認したりして、2020年3月中の利用開始を目指す。

マイクロ流路型遺伝子定量装置「GeneSoC」
マイクロ流路型遺伝子定量装置「GeneSoC」
(出所:杏林製薬)
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 GeneSoCは前処理の時間を除くと5~15分程度で遺伝子を同定することができる小型の検査装置。研究用機器として2019年11月に販売を開始しており、医療用機器としての開発も進めている。

 ウイルスの遺伝子から、そのウイルス特有の配列を増幅して有無を確認する遺伝子検査の一種のPCR(Polymerase Chain Reaction)法を用いる。PCR法は増幅の際に温度を上下させる必要があり、これが検査に時間を要す一因になっていた。

 GeneSoCは産業技術総合研究所(産総研)が開発した「マイクロ流路型サーマルサイクル技術」を用いて検査時間を短縮した。具体的には、異なる温度帯の複数のヒーターに接したマイクロ流路内で、測定試料を繰り返し往復移動させて、温度を素早く変化させる。杏林製薬は同技術に関する独占実施権の許諾を産総研から受けている。

 今回の実証実験に向けて杏林製薬は、日本医療研究開発機構(AMED)と「先進的医療機器・システム等技術開発事業」の委託研究開発契約を締結した。3月10日に「新型コロナウイルス緊急対応策(第2弾)」が閣議決定され、政府が「産業技術総合研究所等が開発した、PCR検査の時間短縮を可能とする迅速ウイルス検出機器について、医療機関等において検査精度等に関する実証や操作性の確認を行い、3月中の利用開始を目指す」と公表したことを受けて実施する。