PR

約6年間で95件の相談、うち2件が重症事例

 その他にも、手動車いすの破損に関する相談は多く寄せられている。国民生活センターと全国の消費生活センターなどを結び、相談情報を蓄積するデータベース「PIO-NET」(パイオネット)によると、2014年4月以降に相談を受けた全国の消費生活センターなどで受けた相談の数は95件で、危害・危険の事例は30件*1。そのうち2件では、転倒や壁への衝突で使用者が重傷を負っていた。

*1 2014年4月以降に相談を受け付け、2020年1月末日までに登録された件数。

 そこで同センターは今回、インターネットで販売されており、実勢価格が3万円未満、メーカー希望小売価格が8万円未満の比較的安価な6銘柄を入手(表1)。手動車いすに関する安全基準であるJIS T 9201:2016「手動車椅子」10.4.2.1に準拠した標準形の走行耐久性試験*2を実施した(図6)。質量が100kgのダミーを車いすに乗せ、それぞれの車輪がドラム1回転中に段差を1回乗り越えるように位置決めした試験装置で、周速度が1.0±0.1m/秒になるように設定した基準ドラムを20万回まで回転させて耐久性を確認した。

表1:テスト対象銘柄。価格は国民生活センターが購入したときの価格。購入時期は2019年11〜2020年1月。(出所:国民生活センター)
表1:テスト対象銘柄。価格は国民生活センターが購入したときの価格。購入時期は2019年11〜2020年1月。(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]

図6:走行耐久試験の例。写真の車いすは説明用で、今回のテスト対象銘柄とは異なる。(出所:国民生活センター)
図6:走行耐久試験の例。写真の車いすは説明用で、今回のテスト対象銘柄とは異なる。(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]

*2 手動車いすにはSG基準が定められているが、SGの走行耐久試験はJIS T 9201 走行耐久性試験に準拠している。

 試験の結果、同じ価格帯の製品でも走行耐久性には差があった(表2)。6銘柄中No.4・5・6の3銘柄は、20万回回転させても各部に破損などの異常がみられなかった一方で、他の3銘柄は20万回回転させる前にフレームまたは車輪が破損した(図7)。

表2:走行耐久試験の結果(出所:国民生活センター)
表2:走行耐久試験の結果(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]

図7-1:銘柄No.1の破損状態(出所:国民生活センター)
図7-1:銘柄No.1の破損状態(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]
図7-2:銘柄No.2の破損状態(出所:国民生活センター)
図7-2:銘柄No.2の破損状態(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]
図7-3:銘柄No.3の破損状態(出所:国民生活センター)
図7-3:銘柄No.3の破損状態(出所:国民生活センター)
[画像のクリックで拡大表示]