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 「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような電動の垂直離着陸(eVTOL)機を手掛けるドイツ・リリウム(Lilium)は、既存の投資家から新たに2億4000万ユーロ(1ユーロ119円換算で285億6000万円)を調達したと明らかにした(発表資料)。中国テンセントをリード投資家とし、英アトミコ(Atomico)やドイツFreigeist Capitalなどのベンチャーキャピタル(VC)が投資した。今回の追加調達によって、調達額は累計で3億4000万ユーロ(同404億6000万円)に達したという。

リリウムの「Lilium Jet」
リリウムの「Lilium Jet」
(出典:リリウム)
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 Liliumは、2015年創業の企業で、現在従業員は400人超である。2025年までの実用化を目標に、5人乗りのフル電動型の機体「Lilium Jet」を開発中だ(関連記事)。2019年5月には、機体の外観などと共に、試験飛行をする様子を見せた。最高速度は時速300kmで、航続距離は300kmと、フル電動型のeVTOL機として、高速で、かつ航続距離も長いことが特徴である。機体の量産準備を進めており、2025年までに、世界のさまざまな都市で、Lilium Jetによるエアタクシー運航を目指している。

 eVTOL機を手掛ける新興企業は多いものの、100億円を超える資金を調達した企業は限られる。例えば、リリウムと同じドイツの新興企業であるボロコプター(Volocopter)は、2020年2月に8700万ユーロ(1ユーロ119円換算で103億5300万円)の追加出資を得たことを明らかにした。これにより、累計で1億2200万ユーロ(同145億1800万円)を調達したことになった(関連記事)。米国では、Joby Aviationが同年1月にトヨタ自動車などから計5億9000万米ドル(1米ドル110円換算で649億円)を追加調達。この時点で総額7億2000万米ドル(同792億円)を調達したという(関連記事)。リリウムを含めて、こうした多額の資金を集められた新興企業が、空飛ぶクルマの実用化に向けて抜き出ることになりそうだ。