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 ルネサス エレクトロニクスは、同社の超低消費電力コントローラーIC「REファミリ」がカシオ計算機の腕時計「G-SHOCK」に採用されたことを発表した(ニュースリリース1)。採用されたG-SHOCKは、心拍計とGPS機能を搭載した「GBD-H1000」で、2020年4月24日に発売される(ニュースリリース2)。

「GBD-H1000」(左)と「REファミリ」(右)
「GBD-H1000」(左)と「REファミリ」(右)
カシオとルネサスのイメージ
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 REファミリは、ルネサスの完全空乏型SOIプロセスの「SOTB(Silicon-On-Thin-BOX)」で製造する組み込み向けコントローラーICである(関連記事「苦節20年で実用化、"真”の電池不要マイコンをルネサスが発表」)。マイコンの製造プロセスで一般的なCMOSと比べて、リーク電流が低いことが特徴で、SOTBで製造するとCMOSの場合に比べてチップの消費電流を1/10にできるという。SOTBで製造する第1弾製品がREファミリで、このプロセスの開発を初めてから20年以上が経過した2019年11月にREファミリの量産が始まった(関連記事「開発に苦節20年のエナジーハーベスト”マイコン"、ルネサスが量産開始」)。

 そのREファミリが搭載されたカシオのGBD-H1000は、血管の血流量の変化を感知して心拍数を測定する光学式センサーや、方位・気圧/高度・温度を計測するトリプルセンサー、歩数や移動距離を計測する加速度センサーといったセンサー群に加え、位置情報を取得するGPS機能を備える。豊富な機能を実現しながら、日常での使用はソーラー充電で賄うことができるのは、REファミリをこの腕時計のメインコントローラーにしたおかげだとする。

 ルネサスとカシオは、GBD-H1000の開発段階から協力し、多機能化と低消費電力化の両立を果たしたという。カシオ計算機 専務執行役員 開発本部長(兼)事業戦略本部 時計BU事業部長の増田 裕一氏によれば、「GBD-H1000の開発においては、必要なプロセッサーの処理性能の実現が、従来技術の延長線上では難しいという課題があった」とする。「ルネサスのSOTB技術は、性能と消費電力の両面において総合的に優れていたことから、今回、REファミリの採用を決めた」(同氏)。