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 TBSテレビは2020年3月25日、NECおよびインターネットイニシアティブ(IIJ)らと共同で、日本で初めてローカル5Gを活用した災害時の地上放送同時配信の実証実験に成功したと発表した。災害による停電が発生して据え置き型テレビが使えない場合でも、避難所などでスマホなどを通して緊急特番を配信して、避難者に視聴してもらうことが可能になることを実証した。ローカル5Gを活用することで、「輻輳なしに地域に特化した情報提供が可能」になるという。

 実証実験では、地上デジタル放送の電波をローカル5Gの基地局近くで受信した。受信したTBSテレビの放送番組は同時配信用の形式にエンコードしたうえで、NECが実験免許を取得して用意したローカル5Gラボ内に設置したMECサーバー((Mobile/Multiaccess Edge Computing Server)から同時配信した。

実験の概要
実験の概要
(発表資料から)
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 さらには、MECサーバーを用いてCMの流れているコーナーにおいて、当該地域に特化した災害情報にリアルタイムで差し替えて配信することに日本で初めて成功した。

地域や人に合わせてコンテンツを差し替え
地域や人に合わせてコンテンツを差し替え
(発表資料から)
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 今回の実験のネットワーク構成では、災害時にインターネットが輻輳している場合でも、影響を受けずに放送番組をネット配信で届けられる。例えば自治体が設置したローカル5Gに、今回のシステムを連携することで、災害時には自営による素早い情報収集手段を避難民に提供できることになる。

 加えて今回の実証実験では、MECサーバーにCM動画をキャッシュして、地上波テレビ番組の本編にユーザーに適したCMを差し込んで配信することにも成功した。

 MECにおいて動画配信機能の中核となる配信サーバーおよびキャッシュサーバーはIIJが提供した。NECは、5Gによる同時配信に向けたネットワーク構成を立案するとともに、地上放送の番組を符号化する同時配信用エンコーダー装置を提供した。

 TBSテレビは、今回の技術についてローカル5Gだけでなく、通信事業者による全国5Gシステムにも応用が可能と位置づけており、全国規模の同時配信にも活用できると期待する。

■変更履歴
本記事の公開当初、第1段落の発表日の日付を「24日」としていましたが、正しくは「25日」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2020/03/25 19:40]