PR

 フィンランドNokia(ノキア)は、同社傘下のベル研究所が光1波当たりの伝送速度で世界最高速となる1.52Tビット/秒(bps)を記録したと発表した(Nokiaのプレスリリース)。伝送媒体はシングルモード光ファイバー、伝送距離は80kmである。2020年3月8~12日に米サンディエゴで開催されたOFC(Optical Fiber Communications Conference & Exhibition)で発表した。産業向けIoTや一般顧客向けアプリケーションで必要となる、大容量低遅延5Gネットワーク開発を後押しするものになるとしている。

出所:NokiaのTwitter
出所:NokiaのTwitter
[画像のクリックで拡大表示]

 今回は、128Gサンプル/秒を実現するコンバーターを採用して、6.0ビット/シンボル/偏波を超える信号での128Gシンボルレート、情報レートの信号生成を実現。同社が2019年9月にUAEの通信事業者であるEtisalatの協力を得て達成した1.3 Tビット/秒(Nokiaの関連プレスリリース)を超えた。これは、現在の最高記録である400Gビット/秒の約4倍、YouTube動画150万本を同時にストリーミング再生可能な速度だという。

 今回、同研究室の成果として、次の内容も紹介している。

  • 直接変調レーザー(Directly Modulated Lasers、DML)技術を用いた15km伝送で、世界記録とする400Gビット/秒超のデータレートを達成。データセンターなど、高速な通信を低コストで提供する現場を支援する技術だとしている。
  • 空間分割多重(Spatial-Division-Multiplexed、SDM)を採用する4コア結合のケーブルでの2000kmの通信実験を実施。工業標準であるクラッド径125μmの連結コアケーブルで高性能の通信が実現可能であることを示した。
  • ニューラルネットワークを使った変調フォーマットの導入で、深海1万kmでの線形/非線形伝送性能を改善。現在の海底システムで使用されているQPSK(Quadrature Phase Shift Keying、4相偏移変調)からの著しい効率改善が可能となる。
  • ニューラルネットワーク技術を使った変調信号の波形整形フィルターを最適化することで、海底ケーブルシステムでの23%の容量増加を実現する実証実験を実施した。