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 JFEスチールは、2023年度をめどに東日本製鉄所京浜地区の高炉を休止する。需要低迷や原材料価格高騰など経営環境が厳しくなっていることから、生産体制を集約し、競争力の強化を図る。

会見の様子。右はJFEスチール代表取締役社長の北野嘉久氏。左はJFEホールディングス代表取締役副社長の寺畑雅史氏。(写真:日経クロステック)
会見の様子。右はJFEスチール代表取締役社長の北野嘉久氏。左はJFEホールディングス代表取締役副社長の寺畑雅史氏。(写真:日経クロステック)
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 休止するのは、京浜地区の第2高炉。これによって国内の高炉は8基から7基となる。粗鋼生産能力では、約400万トン(約13%)の削減。東日本製鉄所の薄板生産は、一部を除き千葉地区に集約する。京浜地区は、主に建材向け厚板や鋼管の生産拠点となる。一方、千葉地区は、重点分野である自動車用鋼板を中心に、ステンレス鋼や鉄粉などの生産する東日本の拠点として「高炉一貫製造体制を堅持」(同社)する。千葉地区では、2023年をめどに高炉の改修も予定する。

 高炉休止を決めた要因として、同社は「米中貿易摩擦による製造業を中心とした鉄鋼需要の低迷」「中国の粗鋼生産拡大に伴う原料価格の高止まり」「副原料・資材費・物流費などの物価上昇」を挙げた。「2019年度決算において当社発足以降初めてセグメント利益がゼロと見込まれる危機的な状況」(同社)にあるという。「新型コロナウイルスの発生以前から検討していたことであり、新型コロナによる影響ではない」(同社代表取締役社長の北野嘉久氏)。

 高炉など各種設備の休止によって、固定費の削減など年間約600億円の収益改善効果を見込む。さらに、今後約10年間で発生する見込みだった老朽更新投資約2000億円も抑制できるという。

 今回の構造改革に伴い、2019年度決算で約2200億円の減損損失を計上する。京浜地区の休止設備に関わる従業員約1200人については、配置転換などで雇用を確保する。影響が想定されるグループ会社・協力会社の約2000人についても「誠意をもって対応する」(JFEスチール)という。

休止を決めた生産設備(出所:JFEスチール)
休止を決めた生産設備(出所:JFEスチール)
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