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 ルネサス エレクトロニクスは、同社の電力線通信(PLC:Power Line Communication)用IC「R9A06G037」が、パナソニックの駅ホーム用照明制御システムに採用されたことを発表した(ニュースリリース1)。この照明制御システムは東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線/京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ」のホームで運用中である(関連記事「“未来型”の高輪ゲートウェイ駅が開業」)。

高輪ゲートウェイ駅のホーム照明(下方の左右)とルネサスの電力線通信用IC(上方中央)
高輪ゲートウェイ駅のホーム照明(下方の左右)とルネサスの電力線通信用IC(上方中央)
(出典:ルネサス)
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 今回、パナソニックは、JR東日本と共同で、屋外で使用できる狭帯域(低速)PLC(10k~450kHz)の規格「G3-PLC」方式を使用して、駅ホーム用照明制御システムを開発した。このシステムの照明器具は、時間帯や天候に応じて、PLCにより調光調色制御を行う。G3-PLC方式は、高いノイズ耐性と長距離通信が容易という特徴があるものの、駅構内は無線電波や列車発停車に伴う電磁波、さまざまな電気機器が発生するノイズが多く、電力線通信にとっては厳しい環境である。

 高輪ゲートウェイ駅で運用中のシステムに採用されたPLC用ICのR9A06G037は、G3-PLCに準拠し、通信用ソフトウエアの処理性能が高く、ノイズ耐性も高いという(関連記事「世界の電力線通信に対応するPLC用IC、ルネサスが発売」)。ルネサスはICの提供に加えて、評価ボードを元にした基板回路の提案や改良、レファレンスとなる通信ソフトウエアの提供、ソフトウエアの開発支援、通信状態の評価ツールの提供なども行った。これらを通して、駅構内で問題なく調光調色を制御できるパナソニックの照明制御システムの開発に貢献したことで、ルネサスのICが採用されるに至ったという。

 パナソニックの河瀬靖憲氏(ライフソリューションズ社 ライティング事業部 ライティング機器ビジネスユニット 調光システム商品部 部長)は、次のようなコメントをしている。「今回、ルネサスの協力の下、調光調色可能な照明制御システムを駅ホームで運用を始められた。パナソニックにとって照明システムへの低速PLCの活用は初めてでだったが、国内外のスマートメーターなどで多数の実績があるルネサスの技術サポートにより、フィールド試験から実運用まで行えた。今後もルネサスと協力することにより、照明システムへの低速PLCの活用をさらに広げていけると確信している」(同氏)。なおパナソニックによれば、高輪ゲートウェイ駅には同社の照明器具約1600台を納めており、同駅を柔らかな光で演出しているという(ニュースリリース2)。

高輪ゲートウェイ駅の駅舎夜景
高輪ゲートウェイ駅の駅舎夜景
(出典:パナソニック)
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