NECは2020年4月8日、IoTで課題になっている膨大な量のデータの削減と、デバイスや運用データのセキュリティ面の強化を目的としたエッジデバイス「NEC AI Accelerator」を開発したと発表した。同デバイスの提供を含むサービスの販売を同年7月から開始する予定である(図1)。

図1 NEC AI Acceleratorを含むセキュリティサービスの概要
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図1 NEC AI Acceleratorを含むセキュリティサービスの概要
(出所:NEC)

 NEC AI Acceleratorは天井や壁に設置可能なエッジデバイスで、外形寸法は145×152×30mm(図2)。エッジ領域で高速処理することで、IoTに伴うデータ通信量やクラウドへの負荷を削減する。オフィスでの顔認証を使った入退場に使うカメラやゲート、空調やエレベータなどのビル設備管理、産業用制御装置などのIoTデバイスの管理に利用できる。

図2 NEC AI Acceleratorの外観
図2 NEC AI Acceleratorの外観
(出所:NEC)

 NECは東京オリンピック・パラリンピックの入場ゲートで同社の顔認証システムが導入予定であるなど、カメラを使った生体認証システムに強みを持つ。NEC AI Acceleratorと組み合わせることで、例えば防犯カメラでは、映像データから顔認証する際に顔部分のみを検出できるようになり、通信料を1割以下に削減できるという。

 セキュリティー面の強化では、NEC AI Acceleratorを製造から運用、廃棄に至るまでデータを管理・追跡することでデバイスや運用データの真正性の確保に努める。製造時は部品や検査情報などの履歴をブロックチェーンに登録し、なりすましを防止する。運用時は、操作ログやセキュリティイベントの発生・対処情報、保守部材情報などの運用データをブロックチェーンで管理し、運用・保守履歴の真正性を確保するとともに、データ改ざんを防止する。