浜松ホトニクスは、低エネルギーのX線に対する感度を高めたTDI(Time Delay Integration:移動積分スキャン)方式のX線カメラ「C15400-30-50A」を発売した(図1、ニュースリリース)。アルミニウム(Al)合金製シートなどの薄物や、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をはじめとする軽元素素材の透過画像を高コントラストで撮像できるという。工業製品や食品のインライン非破壊検査用装置に組み込めば、検査精度の向上が見込める(図2)。

図1:「C15400-30-50A」の外観(出所:浜松ホトニクス)
図1:「C15400-30-50A」の外観(出所:浜松ホトニクス)
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図2:「C15400-30-50A」を利用したX線非破壊検査のイメージ(出所:浜松ホトニクス)
図2:「C15400-30-50A」を利用したX線非破壊検査のイメージ(出所:浜松ホトニクス)
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 新製品では、低エネルギーX線を検出する新たな手法を採用するとともに設計を見直し、低エネルギーX線の照射に伴って発生する光を検出しやすくした。従来製品はX線のエネルギーが40keVよりも小さくなるとコントラストが低下していたが、新製品は20keV近辺のX線による透過画像も高コントラストで撮像できる。例えば、薄いAl合金シートを使った食品包装材の接着部分にかみ込んだ髪の毛や、Al合金シートの厚みムラ、CFRPを用いた部品の接着剤の塗りムラなどの検出に使える(図3)。

図3:撮像例(出所:浜松ホトニクス)
図3:撮像例(出所:浜松ホトニクス)
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 併せて同社製の高性能な光検出器を採用し、信号の読み出し速度を向上させた。最高153.8m/minと、従来比で1.8倍の速度で読み出しできる。これによって、インラインで高効率な全数検査を実現するという。

 推奨使用範囲は、X線感度で約25k〜110kV。広いエネルギー範囲のX線を検出できるため、X線が透過しにくい厚物と透過しやすい薄物が混在する対象物でも異物の検出が可能とする。画素サイズは146.5μ×146.5μmで、画素数は4096×128、検出幅は300mmとしている。

 外形寸法は幅450×奥行き1000×高さ210mm。価格は330万円(税別)。同社は今後、小型化や撮像範囲の拡大を目指して開発を進める。