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 米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)は2020年4月22日(米国時間)、セキュリティーにフォーカスした週次のビデオミーティングを開催した。新たに導入したデータセンターの選択機能や4月末に提供予定のバージョン5.0の暗号化機能などについて説明。セキュリティー問題で、世界の政府機関や企業などから懸念の声が上がっており、対応の進ちょくを公開することで挽回を図った格好だ。

 「Ask Eric Anything(エリックになんでも聞こう)」と呼ぶZoomを使ったビデオミーティングを開いた。エリック・ユアンCEO以下、セキュリティーアドバイザー、CTO(最高技術責任者)、最高プロダクト責任者(CPO)などの幹部が出席した。

暗号化を256ビットのGCMに

 今回、Zoomのメジャーバージョンアップとなる5.0を4月27日に提供することを説明した。もちろんセキュリティー機能の強化に主眼を置いている。

 5.0では、ビデオの内容の暗号化のAES(Advanced Encryption Standard)について、従来の128ビットから256ビットに更新。暗号の利用モードは平文と同じパターンが現れるなどから脆弱と言われている「ECB」から、より強固な「GCM」を標準とする。

 当初はバージョン5.0でECBとGCMの両方をサポートするが、5月末にGCMに統一する。このため4.xなど従来のバージョンを利用しているユーザーは更新する必要があり、5.0へのバージョンアップを呼びかけた。

 4月18日に有料ユーザーが利用するデータセンターを選べるようにし、25日からデフォルトで「中国」を外すようにした点についても先週に続いて説明した。このデータセンターは前述の暗号化の鍵を生成するために使われるもので、ユーザーが中国で生成されていることを発見し問題視されるようになった。ビデオの内容が中国政府などに解読されてしまう恐れがあるからだ。

 参加者からは自分の地域のデータセンターをオフにした際にどこのセンターにつながるのかとの質問があり、その際のインターネットの状況などに応じて最適な場所を利用すると回答した。