米フェイスブック(Facebook)は米国時間の2020年4月24日、メッセージアプリ「Messenger」などの動画関連機能を強化すると発表した。複数の仮想的な会議室を作ることが可能で、相手がIDやアプリを持っていなくても利用できるようにする。米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)のビデオ会議サービス「Zoom」の利用者が急増していることに対抗したものだ。
Facebook上のビデオ配信で記者会見したマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスの拡散防止に協力していることを説明したうえで、新サービスの説明を始めた。
「Messenger Rooms」は、特定の友人などに参加してもらう仮想のビデオ会議室だ。50人までのユーザーが時間無制限のミーティングを利用できる。Zoomの無料サービスでは、3人以上のユーザーがビデオ会議に参加する場合のミーティング時間は40分間に制限される。相手側は対応するアカウントを持っていなくても、リンクをクリックするだけで参加できるようになる。
いくつかの国でMessengerへの機能追加を今週中に開始し、翌週には全世界に拡大する。Messengerだけでなく、写真共有アプリの「Instagram」やメッセージアプリの「WhatsApp」、ビデオ会議用ハードウエアの「Portal」などにも同様の機能を追加していく予定だという。それぞれのサービス間でも接続できるようにする。
ザッカーバーグCEOは批判を浴びたZoomのセキュリティー問題を念頭においてか「我々は標準的なプライバシーとセキュリティーを意識して実装している。部屋に知らない人が入ってこないようにロックできる」と説明した。
このほか、WhatsAppで8人までのグループでビデオ会議できる機能、デートアプリの「Facebook Dating」における仮想デート機能なども紹介した。WhatsAppについては、エンドツーエンドの暗号化を実現していることを強調していた。