地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営するマイナンバーカードの電子証明書を発行するシステムにおいて、全国的にトラブルが発生していることが2020年5月8日までに分かった。全国の自治体に設置してある「統合端末」から接続しにくくなったり、動作が遅くなったりしている。電子証明書の更新や新規発行、パスワードの設定などができない状況だという。
東京都中野区役所の戸籍住民課によると2020年5月7日の午前中も利用しにくい状況だった。一旦は使えるようになったものの、5月8日は午前9時ごろから完全に利用できないという。「J-LISからは一時的にアクセスが殺到して使いにくい状況になっていると説明があった」(中野区役所の担当者)。同区役所では5月8日の電子証明書更新などの手続きの受け付けを全て停止し、Webサイトにシステム障害に関するお知らせを掲載した。
新型コロナウイルス対策の一環として配られる1人当たり10万円の特別定額給付金をオンラインで申請するには、マイナンバーカードのパスワード入力や個人認証機能(電子証明書)を使う必要がある。パスワードを忘れた場合や個人認証機能を有効にするためには自治体の窓口で同システムを利用する必要があり、少なからず給付金の申請に影響を与えそうだ。
J-LISの担当者は「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ありません。システムへのアクセス数増加が原因で、5月8日午後には利用できるようになった自治体も徐々に出ている。すぐにサーバー増強などは難しいが、必要な対応を進めていきたい」とした。