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 中国Huawei Technologies(ファーウェイ)と中国China Mobile(中国移動)は2020年4月30日、エベレスト山頂に5G通信環境を構築したと発表した(Huaweiのニュースリリース)。両社が世界最高度だとする標高6500mの地点に、5G基地局と光ファイバーネットワークを設置し、ギガビット級の通信を実現したとしている。

標高6500mに設置された5G基地局の様子
標高6500mに設置された5G基地局の様子
出所:Huawei
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 今回は、SA(stand alone)とNSA(non-stand alone)を組み合わせた形で環境を構築。Huaweiがすべてのソリューションを提供し、ベースキャンプのある標高5300m地点と中継キャンプのある5800m地点、最前線キャンプとなる6500m地点の合計5カ所に5G基地局を設置した。

 基地局設置に当たっては、小型で簡単に設置可能な5G AAU(Active Antenna Unit、アクティブアンテナユニット)やSPN(Service Provider Name、SIMカードに記載のサービスプロバイダー名認識機能)を導入。加えて、Massive MIMO技術も採用し、高い柔軟性を持つ3次元狭ビームアンテナを使って、垂直方向の通信機能を強化。高信頼性と広域カバレッジも実現しながら5Gの高速大容量通信を実現している。これらは12人の要員が年中無休の体制で運用管理しているという。

5Gカメラからライブ送信された動画のスクリーンショット
5Gカメラからライブ送信された動画のスクリーンショット
出所:Huawei
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 こうした環境下で、今回、5300m地点にて、ダウンロード速度1.66Gビット/秒超、アップロード時速度で最高215Mビット/秒を確認できたとしている。また、高解像度動画やVR映像などを滞りなく配信できるネットワーク環境実現に向けて、HuaweiのIntelligent OptiX Network製品を提供。10Gビット/秒対応の局側終端装置(10G PON OLT)、200Gビット/秒での伝送が可能なプラットフォームで、5300メートル地点における1.43Gビット/秒の通信も確認。ストリーミング時の機能最適化やエラー発生箇所の特定などを迅速に行う動画監視システムHoloSensも導入し、6500mの高度でも常時ネットワークが動作する環境を確保したとしている。