NECは2020年5月12日、2020年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高に当たる売上収益は前の期比6.2%増の3兆952億円、営業利益は同120%増の1276億円と増収増益となった。また当期利益は23年ぶりに過去最高益となった。ビジネスPCの特需や一過性費用の減少が営業利益を押し上げた。2021年3月期の業績予想には新型コロナウイルス感染拡大の影響を織り込んでいない。仮に影響があったとしても、新たな事業機会創出などでカバーできるとした。

 セグメント別売上収益では、自治体向け、医療向けITサービスが伸び「社会公共」は前の期比13.4%増、「ネットワークサービス」が同10.8%増、「システムプラットフォーム」がビジネスPCを中心に伸び同9.7%増だった。

 2021年3月期は前期のPC特需の反動などで売上収益は前期比2.1%減の3兆300億円、一過性費用の減少や不採算案件抑制などで営業利益は同17.5%増の1500億円を見込む。新型コロナウイルス感染拡大の影響は2021年3月期業績予想に組み込まなかった。上期で収束すると想定すれば5%の売上高減を見込むが、それに伴う400億~500億円の利益減の半分は費用対応で、残りの半分はテレワークなどの新たな事業機会創出で対応できるとした。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響では、「製造業は業績悪化を背景にIT投資が遅れる懸念があるが、官公庁や通信事業者といった業種向けITサービス事業は堅調」(新野隆社長)という。アフターコロナに向けて、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に乗り出す動きが加速するとみる。「製造業やサービス業の投資が一時的に冷え込むなど業種によって差が出てくるが、長い目で見れば国内は明らかにDXが加速すると考えている。既にタッチレス、オンライン化、リモート化が企業経営で必要と実証されているので、事業拡大をさらに加速したい」(新野社長)とした。

 また、文部科学省が推進する、全国の小中学校で全生徒にパソコンを1台ずつ配備する「GIGAスクール構想」政策については、「相応のPCシェア確保に向けていくが、教育市場の特性から利益貢献はそれほど期待していない」(森田隆之副社長兼CFO)という。

■変更履歴
公開当初、2020年3月期の売上収益を「3095億円」としていたのは「3兆952億円」、23年ぶりの過去最高益となったのは営業利益ではなく当期利益、2021年3月期の売上収益を「3030億円」としていたのは「3兆300億円」の誤りでした。第3段落で「このうちの半分は費用対応で」としていたのは「それに伴う400億~500億円の利益減の半分は費用対応で」の誤りでした。「官公庁や通信事業者、ITサービスといった業種向け事業」としていたのは「官公庁や通信事業者といった業種向けITサービス事業」の誤りでした。おわびして訂正します。本文は修正済みです。[2020/5/13 15:15]