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 NTTは2020年5月15日、「地上の太陽」を目指す核融合実験炉を推進するITER国際核融合エネルギー機構(ITER機構)と連携協定を結んだと発表した。ITER機構がフランス南部に建設中の核融合実験炉に、NTTが2030年代の商用化を目指すあらゆる情報処理基盤に光技術を取り込む「IOWN」構想の技術を適用。大量のセンサーデータをリアルタイムで処理したり、デジタルツインを活用した予知保全を提供したりすることでITER計画を支援する。

ITER機構が建設中の核融合実験炉
ITER機構が建設中の核融合実験炉
(出所:NTT)

 ITER計画とは、日本・欧州・ロシア・米国・韓国・中国・インドする核融合炉の平和利用を目指した超大型国際プロジェクトだ。地球のエネルギーと環境問題の解決を実証するため、フランス南部に核融合炉を建設中で、25年の運転開始を計画している。

 核融合炉を安全に運用するためには、炉に大量のセンサーを取り付けて異常を検知した場合、リアルタイム制御する必要がある。

 NTTは19年夏、社長の澤田純氏の肝いりプロジェクトとして、ネットワークから端末まで情報処理に光技術を使うIOWN構想を発表した。エネルギー効率が高く、情報の伝達速度が速い光技術をあらゆる分野に活用することで、現在の電子回路と比べて100分の1の低消費電力を実現することを目指す。サイバー空間に現実空間と同じモデルを作るデジタルツインの実現もIOWN構想の視野に入る。

 NTTが北米に設立した研究所がITER機構に対してIOWN構想を紹介したところ核融合炉の制御に役立てたいとなり、今回の連携協定締結に至った。

 NTTはIOWN技術を生かして、核融合炉とコントロールセンターを結ぶ超高速で超低遅延な制御用のネットワーク基盤を提供する。データ速度は数十Gバイト/秒、データ量は1日当たり数ペタバイトを支えられる能力を想定する。さらに25年までに、大量のセンサーデータを活用して核融合炉のデジタルツインを作り、未来をシミュレーションできるような取り組みも進める。