プロノハーツ(長野県塩尻市)は2020年4月、製造業でのデザインレビュー(DR)を仮想現実(VR:Virtual Reality)の応用により支援するシステム「pronoVR バージョン3.0」を発売した(ニュースリリース)。3D設計データに対して空間の広さや障害物の有無、部品やユニットを移動しての検討に利用でき、製造部門としての修正案や修正意見を設計部門の3D-CADに送るなどが可能。バージョン3.0ではユーザーインターフェースを改良して操作を分かりやすくした他、検証対象のデータを準備する時間の短縮、半透明表示など形状表現の強化を図った。さらにライセンス体系を改め、サブスクリプションでの供給を始めた。

 pronoVR バージョン3.0は、ユーザーがヘッドマウントディスプレー(HMD)「VIVE」(台湾HTC)、「Oculus Rift S」「Oculus Rift」(米Oculus)を装着して、3Dデータの仮想空間に入り込んだように見えるシステム。3Dデータの一部の部品やユニットを動かしたり、部品名称を表示させたり、色や質感を変えたりといった操作もHMDを装着したまま実行できる。

 そのためのユーザーインターフェースも仮想空間の中に浮かぶウインドウとして表示する。新版では使いやすさの向上のため、全機能を1つのウインドウにまとめてコンパクトにした。部品やユニットなどの物体の移動操作は直観的に実行できるよう、物体に重ねて3軸の矢印表示を出すようにした。ユーザーは仮想空間でその矢印を引っ張れば、物体を移動できる(図1)。

図1 「pronoVR バージョン3.0」のユーザーインターフェース
図1 「pronoVR バージョン3.0」のユーザーインターフェース
仮想空間内のウインドウとして表示。新版ではコンパクトにまとめた。(出所:プロノハーツ)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社の顧客である建機メーカーなどの要望に対応して開発した、ユーザーの足跡表示を基本機能として利用可能にした(図2)。操作室内の大きさを足で探る動作を仮想空間内でも容易にする。プロノハーツは、このようなユーザー企業それぞれのDRの内容に対応した機能改良に今後も取り組む方針。

図2 足跡の表示機能
図2 足跡の表示機能
足元の空間を足で探る動作に対応した。(出所:プロノハーツ)
[画像のクリックで拡大表示]

 3D-CADデータは「Parasolid」形式で読み込む。「新版では従来版に比較して10~15倍高速化した」(同社)。読み込み可能な3Dデータ形式は今後増やす予定という。ライセンス価格は年間契約で48万円(税別)、月間で8万円(同)。10日間の試用も可能。