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厳しくなる側面衝突試験

 安全支援システムや衝突予防システムは、年々新たな機能の追加や既存機能の性能向上が図られている。そのため、試験方法も新たな機能や性能を正しく評価できるように改善した。緊急自動ブレーキ(AEB)は、実用化された当初は低速と高速で動作するシステムが分割されていた。そのため、試験でも低速システム用の成人乗員保護「AEB City」と高速システム用の安全支援「AEB Interurban」の二つに分かれていた。しかし、時間の経過とともにセンサー性能が進歩し、低速から高速までの全速度範囲を一つのシステムで対応するようになった。このため2020年からは、「AEB Car-to-Car」として幅広い速度範囲で機能を評価する。歩行者や自転車などの脆弱な道路利用者向けのAEBシステムは、引き続き個別に評価する。

AEB Car-to-Carの評価試験
AEB Car-to-Carの評価試験
(写真:Euro NCAP)
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 車両の追突事故を防止、もしくは衝撃を軽減するAEB Car-to-Carは、三つのシナリオで試験する。走行する前方車両の速度が遅い場合、前方車両が緩やかに減速している場合、前方車両が急減速している場合の三つだ。最初の二つのシナリオでは、前方車両が車線変更したり右左折した場合を想定し、試験車両と前方車両の中心線が一致していない左右のオフセットで試験を繰り返す。これらの試験では、すべての条件で衝突を回避できる、または衝撃を十分に低減できるシステムに高スコアが与えられる。

 このほか、多くの事故原因の一つにドライバーの疲労や注意力散漫が挙げられる。そのため、シートベルトリマインダーなどに代表される乗員の状態監視システムの中で、新たにドライバーの状態を監視するシステムについても評価する。