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 英アーム(Arm)は、5nmプロセスで造る次世代5Gスマートフォン用プロセッサーSoCに向けた、CPUコア「Arm Cortex-A78」とGPUコア「Arm Mali-G78」、NPU(Neural network Processing Unit)コア「Arm Ethos-N78」の3つの新製品を発表した(ニュースリリース)。同社は例年6月開催のCOMPUTEX TAIPEIに合わせて、次世代スマホ用プロセッサーSoC向けのCPUコアなどの新製品を発表してきた(2019年の関連記事:英アーム、5G対応スマホ向けに4種のプロセッサーコアを発表)。今年(20年)は、新型コロナウイルスの影響でCOMPUTEX TAIPEI 2020が9月に延期されたものの、例年と同じ時期での新製品発表を行った。

CPUコア、GPUコア、NPUコアのハイエンド製品を発表
CPUコア、GPUコア、NPUコアのハイエンド製品を発表
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 オンライン会見を開いた日本法人のアームによれば、5Gスマホでは回線高速化により、スマホに入ってくるデータが大幅に増える。このため、プロセッサーSoCの演算能力の向上が必須となる。今回の新製品は、主に性能向上に焦点を合わせて設計したとのことだった。 例えば、今回のCPUコアの新製品「Cortex-A78」は昨年(19年)発表の「Cortex-A77」に比べて、同じ消費電力ならば20%性能が向上するという。具体的には7nm FinFETプロセスで実装したCortex-A77が2.6GHzで動作するのに対して、5nm FinFETプロセスで実装したCortex-A78は3.0GHzで動作する(どちらも消費電力は1W/コア)。また8コアのCPUを構成した場合、5nm実装のCortex-A78のチップ面積は、7nm実装のCortex-A77のチップ面積よりも15%小さくなるという。なお、CPUがbig.LITTLE構成を採る場合、Cortex-A78はbig側のコア、LITTEL側のコアは既存の「Arm Cortex-A55」となる。

前世代のCPUコアとの比較
前世代のCPUコアとの比較
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 今回発表のGPUコア「Mali-G78」は、昨年(19年)発表の「Mali-G77」に比べて性能が25%向上するという(向上分には製造プロセスの微細化も含まれる)。Mali-G78はコア数が7~24。コア数が1~6の製品は「Mali-G68」という名称で、今回併せて新登場した。Mali-G78とMali-G68は、Mali-G77と同じく同社の「Valhall」と呼ぶ新GPUアーキテクチャーを採る。アームによれば、今回のGPUコアはAI推論処理への適用も視野に入れて最適設計したという。ミッドレンジ以下のスマホに向けたプロセッサーSoCではNPUコアを集積せず、GPUコアでAI推論処理するケースが少なくない。G78では、G77に比べてAI推論処理性能が15%向上したとする。

新製品のGPUコアの概要
新製品のGPUコアの概要
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 新製品のNPUコアの「Ethos-N78」は、既存のハイエンドNPUコア「Ethos-N77」(関連記事:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/06290/)の上位製品となる。アプリケーションやニューラルネットワークによって異なるが、Ethos-N78のピーク性能はEthos-N77の2倍、電力対性能効率は25%以上向上、DRAMとのバンド幅は40%以上向上したという。また、アプリケーションによってさまざまな構成を採ることが可能で、その種類は90を超えるとのことだった。

新製品のNPUコアは前世代品より性能が向上
新製品のNPUコアは前世代品より性能が向上
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