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 日立製作所は2020年5月29日、2020年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高が前の期比7.5%減の8兆7672億円で、調整後営業利益は同12.3%減の6618億円と減収減益だった。日立金属や日立建機といった上場子会社の不振が響いたが、システム開発やソフトウエア、ハードウエアの販売・保守などを含む「ITセグメント」は好調だった。同社が経営資源を集中するIoT(インターネット・オブ・シングズ)事業の「Lumada」も順調に拡大した。

 ITセグメントは売上収益は前の期比1%減の2兆994億円だったが、調整後営業利益は192億円増の2494億円と過去最高益を記録した。河村芳彦執行役専務CFO(最高財務責任者)は「社会・公共関連の受注やデリバリーが好調に推移している。金融関連が厳しい状況になっているが、(社会・公共分野が)それをカバーして全体で大きな収益を出した」とした。

 Lumada事業の売上収益は1兆2210億円で、前の期比で8%増えた。内訳はIoT分野のシステムインテグレーションサービスを提供する「Lumada SI事業」が同6.2%増の8410億円、標準化したソフトウエアやサービスを提供する「Lumadaコア事業」が同13.4%増の3800億円と、いずれも順調に伸びた。

 新型コロナウイルス感染症を巡っては、業績全体で売上収益に1461億円の、調整後営業利益に469億円のマイナス影響が生じた。このうちITセグメントへのマイナス影響は売上収益が162億円、調整後営業利益は61億円だった。

 2021年3月期の業績予想については、売上収益が前期比19.2%減の7兆800億円、調整後営業利益は同43.8%減の3720億円の大幅な減収減益とした。日立化成が昭和電工への売却で非連結になるほか、新型コロナの影響を考慮に入れた。特に新型コロナの影響は大きく、売上収益で1兆200億円の、調整後営業利益で3010億円のマイナス影響を受ける見通しという。

 このうちITセグメントは売上収益が1600億円のマイナス影響を受けて同8.5%減の1兆9200億円、調整後営業利益は490億円のマイナス影響で同23%減の1920億円を見込んでいる。顧客のIT投資抑制による新規案件受注への影響や、北米を中心にストレージ市況の悪化を想定しているという。