PR

 村田製作所と帝人フロンティア(大阪市)は共同で、力が加わると電気エネルギーを生み出して抗菌性能を発揮する圧電繊維「PIECLEX」(ピエクレックス)を開発した(図1、ニュースリリース)。両社は2020年4月1日、開発品の製造・販売を目的として合弁会社「ピエクレックス」(滋賀県野洲市)を設立。アパレル・ヘルスケア・一般消費財向けに展開する。

図1:「PIECLEX」を用いた製品の例
図1:「PIECLEX」を用いた製品の例
(出所:村田製作所・帝人フロンティア)
[画像のクリックで拡大表示]

 開発品は、人の動きなどに伴う繊維の伸縮によって繊維間に電界を発生させ、菌を死滅させる(図2)。細菌が汗や皮脂を分解することで発生するにおいも防げる。電界は繊維の内側で発生し、外側にはほとんど漏れない。電圧は数Vから数十Vで、静電気と異なり人体が感知することはないという。

 図2:抗菌の原理
図2:抗菌の原理
(出所:村田製作所・帝人フロンティア)
[画像のクリックで拡大表示]

 原料にはポリ乳酸(PLA)を用いる。薬剤や有機溶剤を使わずに抗菌機能を発揮するため、環境負荷が小さいのも利点としている。

「人の動きを再利用する」という発想から、村田製作所の圧電技術と帝人フロンティアのポリマー・製糸技術を組み合わせた。歩く・座る・立つといった普段の生活の中での動作から電気エネルギーを創出する開発品を通して、無駄のない効果的なエネルギーの創出を実現する「次世代の循環型社会」を提案していくという。

 新会社は、開発品の生産・販売を2020年度中に開始する予定だ。スポーツウエアーやインナーウエアーなどの衣料品の他、フィルターや衛生材などの産業資材向けに展開し、2025年度には売上高100億円を目指す。