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 AIを活用した医用画像解析ソフトウエアを手掛けるエルピクセルは2020年6月10日、同社の元取締役が業務上横領の容疑で逮捕されたと発表した。元取締役は会社資金を個人名義の預金口座に送金しており、被害額は約33億5000万円にのぼる(そのうち約5億9500万円については、横領行為の発覚前に元取締役が返還)。

 元取締役は、エルピクセルの銀行預金口座の通帳写しを改ざんしていた。エルピクセルは2019年12月20日に警視庁への相談を開始。2020年1月20日に刑事告訴状が受理された。5月27日には元取締役に対し、賠償請求訴訟を提起した。

 エルピクセルは特別調査委員会による提言を受け、業務権限が集中しないよう実務者と管理者の権限の範囲などを見直した。また3月31日から代表取締役を2人体制とした。取締役の鎌田富久氏が昇格し、島原氏と共に代表取締役を務める。さらに同社は5月に総額約10億円の資金調達を実施したことを発表した。CYBERDYNEとジャフコ、TomyKが参加した。

 エルピクセル代表取締役の島原佑基氏は「これまでご支援いただいたすべての皆様に、多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」「この度の不祥事につき、皆様の信頼を大きく損ねてしまったことは弁明の余地もございません。しかしながら、それでも尚、再び挑戦する機会を与えていただきましたならば、LPIXELに関わるすべての皆様のご期待に応え、貢献することを最大の使命とし、尽力してまいる所存です」とコメントした。

 エルピクセルはAIを活用した医用画像解析ソフトウエアの開発や販売などを手掛ける。設立は2014年3月で、資本金は準備金を含んで約27億7500万円。2018年には富士フイルムやオリンパスなどが同社に出資したことを発表した。2019年9月には日本で初めて深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器「EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」の薬事承認を得た。