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 ドイツのダイムラー・トラック(Daimler Truck)は2020年6月8日、燃料電池システムの量産化に向けた子会社ダイムラー・トラック・フューエルセル(Daimler Truck Fuel Cell)を設立したと発表した。この子会社は、後にスウェーデン・ボルボグループ(Volvo Group)が6億ユーロで株式の50%を買収し、合弁会社になる予定。

 ダイムラー・トラックとボルボグループは、EV(電気自動車)には要求の厳しい長距離輸送用の大型燃料電池商用車を実用化し、2020年代後半に量産を始める計画だという。小型の乗用車/商用車に関しては欧州ではバッテリーEVが普及し始めており、水素インフラの整備が必要な燃料電池車は劣勢に回っている。しかし、長距離の大型トラックやバスはEVが不得意な分野であり、そこに活路を見出そうという戦略かもしれない。

(写真:Daimler Truck)
(写真:Daimler Truck)
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 新しい子会社は、ダイムラーグループ内のすべての燃料電池事業を統合する。これまで様々な車両向けの燃料電池および水素貯蔵システムを開発してきたメルセデスベンツ・フューエルセル(Mercedes-Benz Fuel Cell)の事業は、ダイムラー・トラックに譲渡され、新会社に集約される。その中には、メルセデスベンツ・フューエルセルの本社やドイツとカナダの開発・生産拠点も含まれる。

(写真:Daimler Truck)
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 また、ダイムラー・トラックは英国の技術グループのロールス・ロイス・ホールディングス(Rolls-Royce plc)と提携し、定置式燃料電池を共同開発する計画だ。この定置式燃料電池は、データセンターなどの非常用発電機として利用することを想定している。ロールス・ロイスのパワーシステム部門は、定置式燃料電池の開発にダイムラーグループの長年の経験や専門知識を利用し、合弁会社になった新会社の燃料電池システムを使用する。