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 ドイツ・アウディ(Audi)は2020年6月10日、車体工場で使われるアルミニウム端材をリサイクルすることで、これまでにCO2排出量を約35万トン削減したと発表した。同社が「アルミニウム・クローズド・ループ」と呼ぶリサイクルプロセスを使う。車体工場で廃棄物となっていたアルミニウムシートの端材をサプライヤーに返送し、サプライヤーはこれらを納入品と同品質のアルミニウムシートにリサイクルするもの。アルミニウムの生産はエネルギーを非常に多く使う。端材を使って2次アルミニウムを作るときに必要なエネルギーは、原材料から1次アルミニウムを生産することに比べて、最大95%も少ないという。

(写真:Audi)
(写真:Audi)
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 同社は、2017年にドイツのネッカーズルム工場にこのアルミニウム・クローズド・ループを導入した。2019年には、前年のアルミニウム使用量の2/3以上に当たる分量の2次アルミニウムを使ったことで、約15万トンのCO2排出量を削減した。ネッカーズルム工場のほか、最近、インゴルシュタット工場にもアルミニウム・クローズド・ループを導入した。ネッカーズルムとインゴルシュタットの車体工場では、「A3」「A4」「A5」「A6」「A7」「A8」「e-tron」「e-tron Sportback」の一部に2次アルミニウムを使用している。2021年にはハンガリーのジェール工場にも導入し、順次ほかの工場にも導入していく計画だ。

 電気自動車の比率が増えていくと、自動車の生涯CO2排出量における原材料の占める割合が増えていく。2025年には予測される車両平均CO2排出量において、上流の生産プロセスが占める割合は1/4にもなる。そのため、同社はサプライヤーと協力して生産の初期段階におけるCO2削減に取り組んでいる。廃棄物を出さない材料のクローズド・ループ化や、2次材料の使用量増加、リサイクル品の使用、再生可能エネルギー発電による電力利用など、様々な対策が挙げられる。これらの対策は2025年ごろには完全に効果を発揮し、1台当たり平均で1.2トンのCO2排出量を削減できると、同社は期待している。