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 欧州で自動車アセスメントを手掛けるEuro NCAPは2020年6月17日、自動車メーカーの「レスキューシート」と「緊急対応ガイド」をスマートフォン用のアプリで一元化したと発表した。CTIF(国際消防救助協会)と協力し、各メーカーのレスキューシートおよび緊急対応ガイドをまとめ、アプリ「Euro Rescue」で共有する。アプリはAndroidとiOSで利用でき、無料でダウンロードできる。オンラインとオフラインの両方で使用できるため、通信網がない事故現場でも利用できる。

(写真:Euro NCAP)
(写真:Euro NCAP)
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 車両の構造が頑丈になりシステムが複雑になるにつれて、事故時の救助活動が難しくなっている。救助者は乗員を迅速かつ安全に車両から脱出させるため、車両についての情報をすぐに入手する必要がある。そのため自動車メーカーは、乗員を救助するための情報をまとめたレスキューシートと緊急対応ガイドを用意している。Euro Rescueは、これらの内容を検証しISOに準拠した形式で提供する。

 エアバッグやプリテンショナーなど爆発系部品を使う機器や高電圧ケーブル、電池などは取り扱いを間違えると乗員や救助者に危険を及ぼしかねない。レスキューシートにはこれらの正確な位置などを掲載している。緊急対応ガイドには初動対応者の教育や訓練を支援するためのより詳細な指示が書かれている。

 Euro Rescueは、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語で提供される。2023年以降はすべての欧州言語で利用できるようになるという。また、オーストラリアで自動車アセスメントを手掛けるANCAP SAFETYもEuro Rescueをベースにしたオーストラリア版アプリ「ANCAP Rescue」をリリースした。

 Euro NCAPでは、2020年から安全試験で事故後の安全性についても評価することになった(関連記事)。交通事故の死傷者ゼロを目指すため、車両の安全性向上だけでなく、救助者側の安全かつ迅速な救助活動も支援する。CITFは「このアプリによって初動対応者や救助者がレスキューシートに簡単にアクセスできるようになり、救助活動の大きな助けになる」とコメントしている(関連動画)。