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アプリの動作を保証

 基調講演では、自社製プロセッサー上で、今回新たに発表した2020年秋リリース予定の次期macOS「Big Sur」を問題なく動かせる様子を見せた。アップルの映像編集アプリ「Final Cut Pro」や音楽制作アプリ「Logic Pro」も自社製プロセッサー上でネイティブ動作する。加えて、サードパーティー製の主要なソフトウエアがネイティブ対応することを強調した。例えば米Microsoft(マイクロソフト)の「Office for Mac」や米Adobe(アドビ)のサブスクリプションサービス「Creative Cloud」である。同サービス内にある映像編集用ソフト「Photoshop」や写真編集用ソフト「Adobe Photoshop Lightroom」を動作させた様子を見せた。

「Big Sur」を搭載したMacBook Pro
「Big Sur」を搭載したMacBook Pro
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 ソフトウエア開発者が、自社製プロセッサーを搭載したMacへの移行や対応ソフトの開発をスムーズに実施できる支援策も併せて発表した。例えば、アプリ開発環境「Xcode」の新バージョン(Xcode 12)で、新しいアプリケーションバイナリ「Universal 2」を導入。同バイナリを利用すれば、インテルのプロセッサーを搭載したMacと自社製プロセッサーのMacの両方で動作するアプリを容易に作成できるとする。

 従来アプリに関しては、自社製プロセッサー向けにプログラムコード変換する「Rosetta 2」を提供する。Rossetaはもともと、アップルがパソコンのアーキテクチャーを以前のPowerPCプロセッサーから現行のインテル製プロセッサーに移行した際に、開発したものである。今回は、インテル製から新プロセッサーへの移行で、Rosetta 2の提供を始める。仮想化技術も導入し、Linuxといった他のOSも動かせるという。ただし、基調講演ではWindowsが動作するかは言及されなかった。

 アプリ開発者が新プロセッサーに移行しやすくするように、「Universal App Quick Start Program」という支援プログラムを立ち上げた。同プログラムを通じて関連文書やサンプルコードへのアクセスの他、Big Surの開発者用ベータ版やXcode 12、DTKと呼ぶ移行向け開発者キットなどを提供する。DTKには、小型デスクトップパソコン「Mac mini」に「iPad Pro」に搭載しているアプリケーションプロセッサー「A12Z」を搭載した開発者用パソコンが含まれている。16Gバイトのメモリー(主記憶)と、ストレージとして512GバイトのSSDを搭載する。同パソコンを含めた一連の支援プログラムの価格は500米ドル。6月22日から受付を開始して今週中に出荷を始めるという。

「A12Z」を搭載した開発者用パソコン
「A12Z」を搭載した開発者用パソコン
(画像:WWDC20での基調講演をキャプチャーしたもの)
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