三菱電機は、低圧3相モーターが故障する前に異常を検知できる診断装置「DiaPro Motor(ダイアプロ モータ)」を開発した(図、ニュースリリース)。モーター運転時に発生する電流信号を解析して異常を検知する。突発的な設備の停止を防げる上、モーター点検の効率化と省力化が期待できる。2020年度上期に発売の予定。

図:モーター診断装置「DiaPro Motor」
図:モーター診断装置「DiaPro Motor」
(出所:三菱電機)
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 異常振動やミスアライメント(回転軸のズレ)などの機械系の異常と、レイヤーショート(固定子巻線ターン間短絡)や回転子バー(ローターバー)の損傷といった電気系の異常の両方を検知できる。具体的には、電流の逆相成分(モーターを駆動している3相交流電源の相回転と逆回転の電流成分)を解析して傾向を監視し、レイヤーショートを検出。周波数の解析よる特徴周波数の監視から、異常振動やミスアライメント、軸受の異常、偏心、ベルトの断線、回転子バーの損傷などを見つける。さらに、モーターが正常なときの初期状態を学習する機能を持たせて、検知精度を高めた。モーターの稼働時間によって約2時間~1週間、正常時の信号強度を学習した後に診断が可能になる。

 クランプ式の電流センサーを採用し、既存の設備の配線を変えずに設置できるようにした。加えて、従来の技術では機械系異常の診断に必要だった振動センサーを不要にしたため、センサーの取り付けが難しい水中や高所に設置されているモーターにも対応できる。

 異常時の判定に必要なモーター固有の情報をあらかじめ入力してあるので、導入時には容量や軸受番号などの基本情報を設定するだけで済む。初期状態の学習から異常兆候の検知までを自動で実施するため、専門的なノウハウを持たない作業者でも効率的な点検が可能だとしている。

 その他、工場内のネットワークに接続したゲートウェー装置と無線接続すれば、工場内のパソコンやタブレット端末、スマートフォンからの状態監視が可能になる。装置の外形寸法は154.5×105.6×62.2mmで、質量は約600g。定格電圧が200V系または400V系で容量が0.2~55kW、2/4/6極の低圧3相モーターに対応する。

 同社は今後、市場投入に向けた検証試験を実施する。さらに、高圧モーターやインバーターモーターを診断できる装置も開発し、ラインアップを拡充する計画だ。