日本ユニシスは、ポンプやモーターといった回転機械の故障予兆を検出するサービス「VibSign」(ビブサイン)の提供を開始した(日本ユニシスのニュースリリース)。回転機械の加速度の時間推移を可視化するとともに、OKIの波形解析ソフト「ForeWave」(フォアウェーブ)によって正常/異常を自動判定して故障予兆を捉える(OKIのニュースリリース)。時間基準保全(Time Based Maintenance:TBM)や事後保全から状態基準保全(Condition Based Maintenance:CBM)への移行を図れるとする(図1)。

図1:「VibSign」の概要
図1:「VibSign」の概要
(出所:日本ユニシス)
[画像のクリックで拡大表示]

 具体的には[1]回転機械状態監視、[2]モデル評価・報告書作成、[3]正常/異常自動判定の3つのサービスから成る(図2)。日本ユニシスはこれらを「Microsoft Azure」ベースのIoT(Internet of Things)ビジネスプラットフォームで稼働するクラウドサービスとして提供する。

図2:「VibSign」のメニュー
図2:「VibSign」のメニュー
(出所:日本ユニシス)
[画像のクリックで拡大表示]

 [1]では、回転機械に加速度・温度センサーを設置。取得したデータをエッジとクラウドで処理し、軸受けやモーターなどの状態を遠隔から監視できるようにする。測定現場に移動して聴診棒や温度計で測定する従来の方法から、作業時間と移動時間を縮められる。

 [2]では、正常時と異常時の加速度データから機械学習モデルを作成し、正常/異常判定精度を評価・向上させる。さらに[3]では、[1]の状態監視に機械学習モデルを適用して正常/異常を判定し、故障予兆の検出と計画保守を実現する。

 ここで正常/異常判定の役割を担うのが、振動や音響を波形データとして捉え、それらをリアルタイムに解析して異常の予兆を検知するForeWaveだ(図3)。同ソフトは、機械学習と非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization:NMF)の組み合わせによって解析速度を高めたのが特徴。あらかじめ学習させた正常時のデータと新たに計測されたデータを比較し、異常が発生しているか否かを判別する。回転機械から得たデータを共通成分と特徴成分に自動で分解して特徴成分のみを機械学習にかけ、より複雑な設備状態の検知を可能にするという。OKIは同ソフトを、人工知能(AI)エッジコンピューター「AE2100」(関連記事)用のAIライブラリー「ForeWave for AE2100」として、工場設備や鉄道設備の保全向けに提供している。

図3:「ForeWave」による異常検出のイメージ
図3:「ForeWave」による異常検出のイメージ
(出所:OKI)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本ユニシスとOKIがユーザーの現場で実施した概念実証(Proof of Concept:PoC)では、90%以上の精度で回転機械の正常/異常を判定できることを確認した。高精度に故障予兆を検知することで障害発生前の保全が可能になり、設備の稼働率向上や加工不良の低減を図れる。