NECプラットフォームズ(東京・千代田)は、NECが研究・開発を進めていたセルロース系バイオ素材「NeCycle」の量産と販売を開始した(図1、ニュースリリース)。NeCycleは、非可食植物成分を約50%含み、海洋中での長期的な分解性を備えながら、さまざまな製品に適用できる耐久性を持つ。同社は、車載部品やOA機器、インテリア製品など向けに提案する他、マクアケ(東京・渋谷)が運営するクラウドファンディングサービス「Makuake」を通じて、NeCycleを用いたスマートフォンケースも販売する(図2、「Makuake」上のプロジェクト紹介ページ)。

図1:「NeCycle」のペレット
図1:「NeCycle」のペレット
ペレットと成形部材の両方を販売する。(出所:NECプラットフォームズ)
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 NeCycleは、木材や稲わらなどから得られるセルロースを約50%含み、海洋や土壌中といった自然環境の中で分解されやすい。NECによると、1mm前後に粉砕したNeCycleを用いて人工海水による模擬環境(pH8程度)で温度を変化させる加速試験を実施したところ、深海環境(約2℃)で1年後にほぼ分解し、4×10×80mm程度の成形体でも4~5年で分解すると予測されたという。日本バイオプラスチック協会から「バイオマスプラ」と認定されており、NeCycleを用いた製品は「バイオマスプラ・シンボルマーク」を使用できる。

 同時に、幅広い製品に適用できる耐久性と、射出成形による量産が可能な成形性を有する。引っ張り強度は56MPaで曲げ強度は78MPa、曲げ弾性率は3.0GPa。密度は1.29g/cm3、流動性(MFR)は20g/10min、成形収縮率は0.6%程度。NECは、このように高い非可食植物成分率と樹脂特性を兼ね備えるバイオ素材は珍しいとしている。

図2:「NeCycle」で製造したスマートフォンケース
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図2:「NeCycle」で製造したスマートフォンケース
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図2:「NeCycle」で製造したスマートフォンケース
漆芸家の下出祐太郎による伝統的なデザイン3種(左)と、kenma Inc.によるモダンデザイン3種(右)を「Makuake」で販売する。(出所:NECプラットフォームズ)