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 伊仏合弁STMicroelectronics(STマイクロ)は、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路に向けたデジタル制御IC「STNRGPF02」を発売した(ニュースリリース)。いわゆる「デジタル電源」の1つである。対応するPFC回路トポロジーは、インターリーブ方式の昇圧型DC-DCコンバーター回路。出力電力は600〜6kWに対応する。同社によると、「今回の新製品を使えば、従来のアナログ制御品に比べると、設計の柔軟性を高められると同時に、設計期間を短縮できる」という。具体的な応用先は、産業用モーター制御機器やエアコン、溶接機、家電機器、携帯電話基地局、通信用インフラ機器、データセンター機器、無停電電源装置(UPS)などである。

600~6kW出力のPFC回路に向けたデジタル制御IC
600~6kW出力のPFC回路に向けたデジタル制御IC
STMicroelectronicsのイメージ
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 デジタル制御回路やアナログコンパレーター、電圧/電流用フィードバックループ回路、駆動/インターリーブ回路、電圧/電流測定回路、ステータスインジケーター、メモリーなどを1チップに集積した。フィードバックループの制御方式は、固定周波数の平均電流モード。インダクターを流れる電流は連続導通モード(CCM)である。スイッチング素子は外付けで用意する必要がある。出力電圧の制御は、アナログ制御方式とデジタル制御方式を組み合わせて実行する。具体的には、内部電流ループに対するハードウエアのアナログPI(Proportional Integral)補償器と、外部電圧ループに対するデジタルPI制御回路をカスケード接続した。この構成を採用することで、高速な負荷過渡応答特性を保証したとする。

 集積したプログラム用フラッシュメモリーの容量は32Kバイト。データ用メモリーはE2PROMで、容量は1Kバイト。このほか6KバイトのRAMも集積した。

デジタル制御による突入電流制限機能や、プログラマブルな位相シェーディング機能や、ソフト機能マネジメント機能、チャネル間の電流バランス機能、入力電圧のフィードフォワード機能などを備える。保護機能は、プログラマブルな過電流保護機能や過熱保護機能などを用意した。外部インターフェースとしてUARTを搭載した。これを使って各種パラメーターの書き込みや監視などを実行できる。

 パッケージは38端子TSSOP。動作温度範囲は−40〜+105℃。すでに量産を始めている。1000個購入時の参考単価は2.67米ドルである。なお、同社独自のグラフィカル設計ツール「eDesignSuite」を用意しており、これを使うことで回路設計や外付け部品選択などで利用できる。