PR

 米Qualcomm Technologies(クアルコム テクノロジーズ)は、AI推論機能を搭載した監視カメラ、いわゆるスマートカメラに向けたアプリケーションプロセッサーSoC「Vision Intelligence Platform」の新製品2種を発表した(ニュースリリース)。Vision Intelligence Platformの第1弾製品は、2018年4月に発表されている*1

新製品の応用事例
新製品の応用事例
エコパートナーの米Pilot AI Labsのビデオからキャプチャー
[画像のクリックで拡大表示]

 第1弾製品は「QCS605」と「QCS603」だったが、今回、それぞれの最新版として「QCS610」と「QCS410」が登場した。集積するCPUコアやGPUコア、DSPコアなどが最新版になったことで、AI推論の処理性能は最大で50%向上したという。第1弾製品と同様に新製品にはニューラルネットワーク処理専用回路は集積されず、「AI Engine」と呼ぶ機能(仕組み)によってCPUコアとGPUコア、DSPコアを組み合わせて、推論処理を実行する。新製品はスマートシティーやスマートホーム、スマートビルディング、インテリジェントロボットなどでさまざまな場所で使われるスマートカメラに向けるという。

 新製品のCPUコアは同社独自のマイクロアーキテクチャーを採る「Kryo 360」である。QCS610は8コア構成で、2.2GHz動作のKryo 360 Goldが2コア、残りの6コアは1.8GHz動作のKryo 360 Silverである。QCS410は4コア構成で2.2GHz動作のKryo 360 Goldが2コア、残り2コアは1.8GHz動作のKryo 360 Silverとなっている。CPUコア以外にも、どちらの新製品も845MHz動作のGPUコア「Adreno 612」や、1.1GHz動作のDSPコア「Hexagon」(2個)を集積する。

新製品の主な仕様
新製品の主な仕様
(出所:Qualcomm)
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、どちらの新製品も14ビットISP(Image Signal Processor)を2つ集積しており、QCS610は最大24M画素のカメラを接続して、30フレーム/秒で4K動画をキャプチャーできる。QCS410は最大21M画素のカメラを接続し、30フレーム/秒で1080p動画のキャプチャー可能という。さらに、キャプチャーした画像に対して、顔検出や顔認識、オブジェクト追跡、人数計測といったAI処理を行える。またQCS610は4Kの30フレーム/秒の動画を8ビットHEVCエンコード、8ビットHVEC/VP9同動画のデコードが可能。QCS410は1080P動画の8ビットHEVCエンコード、同動画の8ビットHEVC/VP9デコードが可能である。出力ディスプレーは両製品とも2520画素×1080画素を60フレーム/秒でサポートし、同時に外付けの1920画素×1200画素のディスプレーへの出力も行える。

 無線通信は802.11a/b/g/n/ac対応のWi-FiやBluetooth 5.0での接続、およびFM受信が可能。有線接続ではEthernet RGMIIやUSB 3.1 TypeC(DisplayPortオルタネートモード対応)、USB 2.0をサポート。外付けストレージは、eMMC 5.1やUFC 2.1 Gear3、SD 3.0に対応する。

 対応可能なOSはLinuxおよびAndroid。また米Microsoft(マイクロソフト)のAzure Machine LearningとAzure Servicesにも対応するほか、GStreamerやPulse-Audi、Wayland/Westonといったオープンソースのマルチメディアフレームワークや、Tensor Flow LiteなどのAIフレームワークを利用できるという。QCS610とQCS410は韓国Samsung Electronicsの11nm FinFETプロセスで製造され、現在サンプル出荷中である。またエコシステムパートナー各社から開発プラットフォームや開発キットの提供が予定されている。